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Huma Gear  作者: 近藤海月


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8/9

見えていた者

アイシーの8話です。

「通報が入ったぞ!準備をしろ!二分以内に出動だ!」

「了解!」「了解!」

「副官殿!こちらに車両の準備がございます!」

副官は、通報から現着までの時間を正確に計算していた。

五分。想定内だ。

「……出せ」

「ハッ!」


「貴様らは民間人の避難誘導だ!」

「「了解!」」

「副官殿!食品売り場に対象とのことです」

「……俺がやる。付いてこい」


副官と銃火器を携帯した十名ほどの部隊は、食品売り場へと現着した。

そこには対象と、異物。

周囲に民間人。問題なし。


その瞬間、副官の視界にわずかな違和感が走る。

次の瞬間、対象の腕が崩れた。

しかし、通報内容は対象のみ。

異物の報告はない。

任務にないものは処理対象ではない。


副官は足元に落ちていたボタンを拾い、弾いた。

パチッ。

直後、岩が破裂するような音が売り場に響く。

「対象、制圧。やれ」

部隊は即座に対象を取り囲み、無力化に成功した。

そこにいた民間人と異物は既に消えていたが、任務に支障はない。

第一、命令にない。

「撤収」




動けなくなった私は、マギアにおんぶされて帰っていた。

身体中が痛い。

頭が、ようやくクリアになってきた。

「凄かったぞ、カンナ」

「……えっ……」

「さっきの動きだ。速かったぞ!」

「……あんまり覚えてない」

「そうか……俺ははっきり見えていたぞ。あれは――」


あの男が近づいてくる。

この足では、攻撃を受けながら逃げることはできない。

カンナだけでも逃がせれば――いや……

「……悪いが……俺は死ぬわけにはいかない……やるべきことが残っている……」

死んでたまるか……


あれは――カンナ?


その瞬間、カンナの身体に“電気”が迸ったように見えた。

床のタイルが、遅れて割れる。

一筋の閃光が、一直線に走った。

その時、確信した。

あれは放出じゃない。

内側に巡らせている。

俺が本気で走った時よりも速かった。

次に見えたのは、カンナが相手の右腕の関節を蹴りで折り曲げた瞬間だった。


「……といった感じだ」

「ごめんね……私……迷惑かけた……」

「そんなことはない!」

……いや、現に私は動けなくなっている。

ヒューマも制御できていなかった。

こんなにも反動が残っている。

私は自分のヒューマを通して、ヒューマの怖さを知った。

初めて、自分のヒューマが“武器”だと実感した。


「それよりも、カンナは本当に強かったんだ!」

「そうなんだ……そんなに強かったんだ……私」

「ああ!あれがなければ、横槍が入る前にやられていた」

横槍?

……そういえば、何かがいた気がする。

よく分からないけど……

整理すると、あれは官房長官の制圧部隊だろう。

ヒューマ対策は――

既に実行段階にあるということだ。


帰宅後、マギアが怪我の応急手当をしてくれた。

自分の傷は後回しで。

マギアの方が怪我は重いのに、マギアはその夜は早くに眠っていた。


私は強く、速くなったのかもしれない。

でも、それで何か変わるのだろうか。

これから先、一緒にいると思う。

マギアに迷惑をかけたくない。

そのためには、自分一人でも守れるようにならないといけない。

私には覚悟が足りない。

技術も、体格も、力も、ヒューマの知識も。

だから――補う。

私だけの知識ぶきで。

前の回にでてきた男のヒューマは身体の養分を鉱石にして、体表に放出するヒューマです。

元々あるところに、鉱石を新たに生やすと、古いものは射出されます。

お腹が空いていたからフルパワーではなかったのかも。

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