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Huma Gear  作者: 近藤海月
『官房長官編』ーー初幕ーー

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6/13

政治的な話

6話です。

一応、ここからは別の章に入ります。


「あ~…疲れた〜」

「お疲れ様だ、カンナ!」

「ほんとっ…1週間ぐらいの思考量だったよ」


昼から実験を始めたが気づけばもう夕方だ。

だが、これでヒューマについての理解が深められた。

仮にあの大男のヒューマを放出系と仮定する。

そう考えるならば、私に相応しいのは強化系だ。


「カンナ!この黒い枠がある薄い箱は何だ?」

「ああ、それはテレビだよ」

「テレビ?」

「見ててね」

私はリモコンをテレビに向けて、ボタンを押した。

夕方のニュース番組だろうか、そこには記者会見の様子が映っていた。

「箱の中に人のいるぞ!!凄いな!!」

テレビに驚いているマギアを尻目に、私はニュースの内容を頭の中で読んだ。


[官房長官 緊急記者会見 午後12:21]

どうやら官房長官が先日のヒビの件について記者会見を行っているようだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「――国民の皆様。本日はお集まりいただき、ありがとうございます。

先日、首都圏しゅとけんの一部地域において発生した、いわゆる“空間の亀裂”と、それに伴う一連の事象について、政府としての見解をお伝えいたします」


「まず、確認された能力についてご説明します。

この現象は、人体から特定の力を発現させるものであり、我々はこれをヒューマ能力と呼称いたします」


「現在判明している限りでは、

この能力は自然現象――引力、熱、圧力など――に類似した力を人体から放出する形で発現します。

極めて危険性が高く、制御されない場合、周囲に甚大な被害を及ぼします」


「事実、既に複数の警察官が負傷しております。

これは看過できる事態ではありません」


「……落ち着いてください。

私は、恐怖を煽るためにここに立っているのではありません」


「政府の責務はただ一つ。

国民の生命と日常を守ることです」


「そのために、ヒューマ能力に対しては、

必要とあらば武力による制圧も辞さない方針を取ります」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「それは…それは間違っているだろ!それじゃあ!同じだ!!」

マギアが急に立ち上がって反応した。

「…マギア…?」

「すまない……少し熱くなりすぎてしまった…頭を冷やそう……」

驚いた。正直に言えば、私はマギアの笑う顔しか知らなかった。

彼が怒る姿を、想像したことすらなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「誤解のないよう申し上げますが、

これは排除を目的としたものではありません。

管理と制御、そして再発防止のための措置です」


「既に専門家による分析が進んでおり、

ヒューマ能力への対処は理論上、十分に可能であるとの報告を受けています」


「それを受け、政府は専門部隊を設立しました。

ヒューマ能力に精通した人材を中心に構成し、

迅速かつ確実な対応を行います」


「現時点で公表できる情報は以上です。

能力の詳細、及び分類については、引き続き調査中であり、

判明次第、速やかにお伝えします」

「国民の皆様には、どうか冷静な行動をお願いしたい。

政府は、この問題から決して目を背けません」


「――以上です」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

官房長官その表情に、迷いは一切見えなかった。


しかし、この会見の違和感に気づく。

「…マギア、おかしいよね…少し知りすぎてる気がする…」

「…同感だ…これは…人の影(うら)があるな…」

「放出系の話しか、出ていなかったから……」

「ああ…俺と同じような人間がいるかもしれない…」


これは…調査する必要があるだろう。

それにしても、社会の変化のスピードが早い。

私の常識が上書きされていくのをこの2日間で感じた。


「今日はもう遅いし、このことは明日から考えよう」

「そうだな…俺も少し疲れた……カンナにはすまないが…俺はこの一件に顔を突っ込むかもしれない…」


マギアは、この出来事に深く関わっていくかもしれない。

そうなった時――

私は、ついていけるのだろうか。

この私が、マギアに、この世界に。

敬語の文章ムズすぎ!!

マジで尊敬する!

実際の記者会見の映像が参考になりました。

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