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Huma Gear  作者: 近藤海月
序章ーー機械だった私ーー『マギア編』

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5/16

充電しようか

ちょわっ!

5話です。

序章が終わった感じです。

昼食後、私はマギアのヒューマ能力の説明と、実際に起きた出来事を重ね合わせた仮説を、マギアに話してみた。


「なるほど……“触媒”に“外的要因”……それに“放出していない”か……面白い!よく思いついたな!カンナ!凄いぞ!」

「えへへ」

それほどでもない。

「特に俺は……触媒説を推したいな」

「私も……この中では一番可能性がありそう」

「ああ!外からのエネルギーを消費する……原理に適っているな!」

「でしょ。さっそく始めよう」

「ああ!」


結果から言おう。触媒説は失敗だった。

いくつかの対照実験を行ったが、どれも変化がなかった。私もマギアも「何か違う」という感覚しか残らない仮説だった。


ならば、次は外的要因説だ。

これはマギアの、

「俺が住んでいた場所から、すぐの町の“政治家”は凄い炎を操るそうだ」

という言葉から着想を得た。

その“政治家”は、火にゾワゾワを乗せて操っていると推測した。

政治家が火を操っていることについては、もうツッコまない。


ゾワゾワを出しながら火に手を当ててみたが、何も起きなかった。

あったのは、火の熱さだけだった。

話に出てきた火のほかに、水や土、風などにもゾワゾワを乗せようとしたが、手応えはなく、すべて失敗に終わった。


もう駄目だ……何も思いつかない……。

残っている仮説は“放出していない”。

だが、仮にそうだとしても、現状では検証のしようがない。


……そうだ。こういうときこそ、甘いものを食べて脳を休めよう。

悩んだときには、グミを食べるのが私の習慣だ。

私はおもむろに部屋の棚からグミを取り出した。

それをマギアに渡す。

「疲れたし……充電しようか」

「ん?ああ……ありがとう……これは?」

「グミ。私の好きな食べ物」

「そうか!それはさぞかし美味しいものだな!……手を洗ってくる!」

……行ってしまった。私も手を洗おう。

「あっ……そうだ、マギア。スマホの充電器、抜いといて」

「分かった!あの線だな!!」

もう、遠くから声が聞こえる。


戻ってみると、マギアは湿った手でコンセントを抜こうとしていた。

「カンナ!これを抜けばいいんだな!」

「あっ!ちょっ……まっ――」

危ない!

そう思って、咄嗟に手を出してしまった。

あっ……私も感電する……これ……。


ビリゾワ!?

ビリッという激しい痛みとともに、ゾワッとした感覚が襲いかかってきた。

なんだこれは!

感電しているが、思ったよりも痛くない。

少なくとも、この程度の電圧の感電は、私にとって致命的ではないと直感した。

いや……待て……。

冷静になりすぎだ。考えるよりも先に、マギアだ!

私は急いで、マギアのことを思いっきり蹴った。


「何だ今のは!? 感じたこともない痛みが、身体中を走り回った!」

ああ……マギアにもダメージは通るんだな。

人間離れしているから忘れていたが、彼も人間だ。

「大丈夫? 今のは電気で、感電って言うんだよ」

「大丈夫だ……そうか……今のが感電で、電気……まさに()のようだ……それよりも、カンナは大丈夫だったか?」

「私は大丈夫……それよりも、マギア……私、分かったかも……」

私の言葉を聞いたマギアの顔は、とても嬉しそうだった。


それから、いくつかの電気に関する実験を始めた。

分かったことは、電気に少なからず耐性があること。

少なくとも、家庭用コンセント程度の電圧には耐えられる。

体内に取り込んだ電気は放出できなかった。

ゾワゾワと併用して取り込んだ電気を回すと、いつもより早く動ける気がした。


つまり、電気を体内に蓄電し、それを体内で消費するヒューマ――

私はこれを()()()()()()と仮定した。

その仮説に、マギアも深く賛同していた。


「まさか……放出じゃない説が当たっているなんて……」

「ああ……意外だったな……俺の説明のせいで、遠回りをさせてしまった……」

「いいよ……面白かったし」

「そうか?それは良かった……」

また、一つ問題が解決した。

彼が来てから、私は楽しい。

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