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Huma Gear  作者: 近藤海月
『炎帝編』

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11/18

ヒューマの世界

11話です。新章開幕。

私は落ちた。

乾いた砂が喉に張り付いている。

焦げたゴミの匂いが鼻につく。

遠くからは怒号が鳴り響いている。

痛い。身体中が軋んでいる。

急激な気圧の変化を感じた。


……そうだ。

あの時、マギアと共に帰っていた。

――マギアは成長した……私も置いていかれないように――

その時だった。

足元の地面が消えた。

落ちる、と理解した瞬間、目を閉じた。

叫ぶより先に、身体が勝手にそうした。

目を開けると、私はもう、落ちた後だった。


状況を整理しようと周りを見渡す。

その時だった。

空にヒビが入った。

見慣れた現象になっていたため、逆に妙な安心感さえある。


そして――割れた。マギアが現れた。


「カンナ!大丈夫か!?」

「うん……大丈夫、どこも怪我してないよ」

「良かった……急に消えてしまったから心配だった……」

「大丈夫だって。それよりもここって……」

「ああ……戻ってきてしまったか……」

「やっぱり……マギアの世界なの?」

「違う……ここはヒューマ“だけ”の世界だ」



『Huma Gear』第11話

ーー『ヒューマの世界』ーー



「穴を通ってきて気づいたことがある……前の穴よりも通過時間が体感で早くなっていた」

「前の方が長かったの?」

「ああ。入ってから、だいぶ何もない場所を落ちたからな……」

「そうなんだ」


「行こう……カンナ。スラム街の中に俺のアジトがある」

「分かった」

「俺のそばを離れないでくれよ」

「う、うん」

スラム街だと言っていたから、治安が悪いのだろう。

こんな右も左も分からない場所で、一人行動はしない。


「ここが……俺の育った街、『ノーシティ』だ」

……ここが、マギアの育った場所……? こんな所で……。

「カンナの住んでいた場所に比べれば、雲泥の差だろうな……すまないが……帰れるまではここで過ごすことになる」

私達は廃れた看板の下をくぐり、街へと入った。


街に入ると、早速こちらへ人が歩いてきた。


「おお!? マギアじゃねえか? ずいぶん久しぶりだな! “岩纏い(いわまとい)”の件から帰ってこなかったから死んだと思ったぜ!」

「久しぶりだな、ジョセフ。お前は元気そうだな」

「当たり前だぜ! 帰ってきたってことは……“岩纏い”は殺せたのか?」

「倒したが、死体を取られてしまった。戦利品しなを幾つか得られたので……まぁ、よしだ」

「そいつは勿体ねえな! じゃあな! 俺は此処で飲んでるぜ!」

「ああ。飲みすぎるなよ」


随分と物騒な会話だった。

突拍子もない話題に、私の脳はついていけない。


「今の話、どういうこと?」


マギアは、ハッとしたような顔をした。


「言ってなかったか? 俺は賞金稼ぎをしている」


初耳だ。

そういえば、あの時も死体漁りが手慣れていた。


「元はと言えば、あちらの世界に来たのも賞金首を追ってだ」

「へえ……そうだったんだ」

「軽蔑したか?」

「いや、全然……ただ……」

「ただ?」

「私の思っていたマギアと少し違っていたから」

「フフ……そうか。それは嬉しいな。アジトには、もう少しで着く」


少し歩いた時、脇から怒鳴り声が聞こえた。


ーー「どういうことだ!! 礼金は5万円のはずだ!!」

「首がないからな……証明のしようがない……金が欲しいなら首でも持ってこい……」

「ふざけんじゃねえ! 殺してやる!」

男の言葉が途中で途切れた。

次の瞬間、何かが地面を転がった。

また、少し歩いたところでも見えてしまった。

複数人が一人を囲み、水や唾を浴びせている。

囲まれている方は、ただ無抵抗だった。

その時、マギアは見るなと言わんばかりに私の視界を遮った。


「……ここではヒューマが“人間”だ」

ヒューマが“人間”?

「彼も……俺と同じ“ノーヒューマ”なのだろう。ここでは人とは呼ばれない」

「力がなければ、ノーヒューマはその身を守れない……だから……俺は力を持った」


認識が、生半可だった。

ヒューマを“人”として見るのが、この世界なのか。

私の世界では“社会の対象”だった。

ヒューマ=能力ではない。

ヒューマを“管理対象”として見ているだけでは、

こんな世界にはならない。

ヒューマ≠能力じゃない。


ヒューマは“人”そのものなんだ。


だから――


ノーヒューマは“人間”ではない。


「着いたぞ。汚れているが中に入ってくれ」

……結構、歩いたな。

今後はマギアの“少し歩く”を信じないようにしよう。


「この街は肥溜めのように寂れているが、あっちの……」

私はマギアの指差す方向を見る。


「炎帝の管轄は栄えているし、治安も安定している」

「あれが……」

「そうだ……この前、ヒューマの例として話した『炎帝』の街だ」

ノーヒューマの設定をようやく、開示できました。

           もっと、小説をうまく書けるように。

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