表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

1話 不細工君が生意気だ。


OL、23歳。

大手広告代理店勤務。まあまあ美人。で、まあまあモテる。

要するに、人生イージーモードってやつだ。

今だって28歳の主任と付き合ってるし。



---


その日もいつもの電車に揺られてた。

ちょっと眩暈がしたけど、すぐに治った。

あれ? なんだろ、空気が澄んでる気がする。



---


会社に着いて、自販機へ寄り道。

コーヒーでも奢らせてやるか。


同期の不細工くんがいた。

彼女いない歴イコール年齢って噂の男だ。

モテない男はちょっと笑顔を向ければすぐ財布を開く。



---


「おはよー!」


わざと甘い声を出して近づくと、

不細工くんはビクッとして、でもすぐ目を合わせてきた。


あれ、目を逸らさない?

いつもならモジモジするくせに。



---


「おはよう。今日は会議あるから遅れないようにね」


「うん、ありがと~。……あ、財布忘れちゃった」


ちょっと困った顔を作ってみる。

いつもの流れなら「買ってあげるよ」ってなるはず。



---


「それは大変だね。……これでしょ?」


ガタン。缶コーヒーが落ちてきた。


よしよし。


「ありがと~! 助かっ…」


「後で120円返してね」


……え?



---


「え、ケチくない? 細かい男はモテないよ?」


いつもならこれで笑って「いーよいーよ」って言うくせに。



---


「付き合う相手の性格によるんじゃない?」


不細工くんは少し眉をひそめて、私を見下ろした。

そしてそのままスタスタと行ってしまった。



---


……は?


なにこれ。

なんか空気が、違う。


私のモテ力、通じないの?


いやいや、まさかね。


でも、会社に入った瞬間から、妙に空気が澄んでる気がして。


まさか……いや、そんなはず――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ