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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
わかりたい ナタリ

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99/272

目的地までの間


「本当に、こんな時点でサラは犯人と接触してたのか?」


「でも、そうでなきゃ『頭が月を見上げて』たのを知ってるわけないよね」

 ウィルが前髪をはらい、空をみる。


「それに、『女王のダンス』の一節を、口ずさんでる。きっとエミリーみたいに犯人から教えられたのかもしれないな」

 ルイがいやそうに顔をしかめる。


 または・・・、とジャンがこめかみをかく。

「『月』・・・から、連想したのかも。その芝居に出てくる王様のお住まいは、『月』だっていうしな」


 二コルが大きな息とともに、同情を示した。

「こんな事件に利用されるなんて、その芝居もいい迷惑だろうな」



 エミリーへ届けられた招待状につかわれた『女王のダンス』については、レイに教えられた時点で、劇場から特別に通し稽古の映像を貸してもらい、内容がバーノルド事件と関係ないかどうかをみんなで検証した。

 が、この特異な事件とつながりそうなものは見つけられなかった。




 そういえば、とルイが二コルをみやり、ケイト・モンデルの学校にはいつ聞き込みに行けるのか、とジャンをみる。


 ケイトの学校に電話をかけ、彼女の《絵の買い手》をしりたいとザックと二コルがたずねてゆくと、事前にかけた電話では了承したはずの女に、あらためて捜査の許可を得てきてほしいと断られた。


「まだきてない。 きっと、税金関係でなにかさぐられちゃ困ることがあるんだろうな。あそこは警察官がはいって売買の資料を確認してるはずだ。 二度目の許可だから、なかなかでねえんだろうな」


 遺族とは違い、職場や学校などの施設では、被害者を知る人間はすでにひどく入れ替わっている場合が多く、しかも、当時警察官の捜査がはいっているという理由で、警備官が再度の『掘り当て作業』をする許可はいつだってすぐにはおりない。

 許可をだすのは検察経由での裁判所だ。


「ひょっとしてさ、また《だれかさん》が、嫌がらせで手をまわしてるのかもねえ」

 

 おもしろがるようなルイの言葉に、みんながひとりの男を思い浮かべたとき、いつの間にか車は、目的の場所へと着いていた。






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