科捜部の見解
「そうだ。 あの恋人を送り届けたお礼にって、警察の科学捜査部の新しい見解もらったな」
ジャンが紙束をめくってそれをさがす。
『 ドナ・ホーンの遺体とともに見つかったケイト・モンデルの頭部が、近くで見つかったことは、公式な情報として公開しているが、それが、森の大部分を占める針葉樹地帯ではなく、落葉樹があつまる場所の樹上に、さらに《上空をみあげるような角度》で止まるように《細工》されていることは、公開していない。(現在はありとあらゆるデマがPCのメッセージリンクにでまわっているが、今のところ『正解』は無し)
われわれ科学捜査部の見解にある《 頭部に、『上』をみさせるよう 意図的な角度をもった措置 》は、《頭髪を枝に結わきつける》、《顎に針金をかける》、などにより、明らかであり、『上』にあるもの。 つまり、『空』『太陽』『星』『月』などに顔をむけさせるということになにかの意味があるものと考えられ、遺体の遺棄場所をわざわざ落葉樹帯にしたのは、《葉を落とした枝の間からではないと『それ』が見えないから》という理由だと考えられる。
サラ・クロフォードが、この犯人の《上にある何かを見させる》という意図を、偶然に言い当てることは(普通どう考えたって)無理。
ゆえに、彼女は、その遺体を《じかに見た》か、犯人から《それを聞いていた》と考えるのが、妥当と思われる。(じゃなきゃ、彼女超能力者でしょ?)
いいものほりあてたじゃないか!科捜部一同期待してるよ
ジョニー・ヘンドリック 』
長年、警察の科学捜査部をしきっているジョニーのくせのある署名まで読みあげ、ジャンは頭をかきまわすようにかく。




