№12- むかう先
№12
「――― で?けっきょく、サラ・クロフォードの恋人は、それいじょう何か知ってたわけじゃなかったんだ?」
慣れたようにいくつもの車を追い抜きながら、ウィルが横に座るジャンに聞く。
会社の公用車であるセダンの助手席に収まるサブチーフは、つけなれないタイをさわりながら、手にした紙の資料をめくった。
「まあな。サラが事件にあこがれていたのを知ってたんで、いなくなったとき、『あせった』。 バーノルドの犠牲者に志願するんじゃないかって思ったから、『早くさがしてくれ』って、警察に頼みに行っけど、・・・当時彼は、別の管轄の警察に世話になってた」
ジャンが資料を叩いて息をつく。
「だから、そのことは事件の資料には『恋人の証言』として残ってないし、今回だって、警察に送り届けてから、典型的な《禁断症状》がでて暴れたらしい」
あれじゃあ、どんなかんじんなことを口にしたって、警察官なら真にうけないだろと資料をダッシュボードの上におく。
そりゃそうだと笑う男たちがいま目指しているのは、四人目の犠牲者、ナタリ・キットソンの家だった。




