※ 『女王のダンス』 《道化》の場面
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しゃらしゃらと、たくさんの鈴がついた衣装をゆらし、道化の男は女の周りをかろやかに舞い踊り、星さえもない真っ暗な空をさす。
必ずや、今宵の月を のぼらせましょう
あなたの白いおみ足が 野ばらを踏んでしまわぬよう
その軽やかな舞のまま この手をお受けになられるよう
女の足元にすべりこむように膝をおり、片手を差し上げる。
女は、その手を見つめ、合わせた両手を強く握りこむと、ゆっくりと、右の手をほどき、震える指先を道化の手へとのばしてゆく。
指先がすべてのせられれば、道化に強くにぎりこまれ、とびはねるような激しいステップへと巻き込まれてゆく。
鈴の音もききとれない、振り回されるようなひどい踊りの中、道化がうたう。
さあ、はじまりだ!このゆくさきに、なにがあるかは お楽しみ!
小さなあなたのおみ足が 跳んで弾んだその先に
あなたのいばしょがきっとある!
王の愛に、踊れ!踊れ!
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