表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
はじまりの ケイト

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/272

聖歌



 本棚とベッドの間には、使い終えたスケッチブックが山ほどと、ひと山の音楽CD。

 

 ウィルが感心したように手にする。

「へえ、意外だな。聖歌と聖堂曲のCDが多いね。友達の証言で、彼女、絵をかくときは、かならず小さいCD再生機で音楽をかけてた、ってあったけど・・・」てっきり流行の音楽を聴いてるのかとおもったといいながら、CDの再生機をさがすがみあたらない。

 

 ザックが一枚手に取り、これうちにもあったな、と懐かしそうに題をよみあげる。


「それって、一番一般的な聖堂曲じゃないのか?音楽堂の演奏会とかでもやるよなあ?」

 二コルは妻と聴きに行ったと、ごつい指でそこに印刷された楽団をしめす。


 前髪を払ったウィルが皮肉気に口をまげた。

「たしかに。どうやらケイトは、母親とは違う、普通の宗派だったみたいだね」


 この国でいちばん信者の多い、『旧派』の『聖堂教』だ。『神様』は信者に、それほど無茶なことは望まない。



「でも、おれ、教会に行くのが嫌だったなあ。あの聖歌の《古代語》ってなんだよ?テンポもないし、暗いし」

 ザックのうんざりした想い出に同意した二人もわらいながら、スケッチブックとCDを確認してゆく。



「これ・・」スケッチブックをめくっていたウィルが、それを二人にみせた。


 ザックが感心した声をあげ、その流れるような線描を評する。

「うまいなあ。木がいっぱいだ」

「あのなあ、ザック。そういうのを『森』っていうんだ」


「そう。これは『森』だ。―― じゃあ、どこの?」

 ウィルの問いに、ニコルとザックは顔を見合わせる。


「・・・一番近い森っていったら・・」

「バーノルドだ」

 二コルが先ほど写真をはったコルクボードにいそいでもどる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ