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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
※※

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68/272

※ 聞いた話だけど

このあたりからよろしくない表現あり。ご注意を


「先にクスリ飲んでおく?」

 そうすれば寒いのなんかすぐ感じなくなる。


「早いだろ。日が暮れてからが本番だぜ?」

「日が暮れて!?そんな時間までここにいるつもり?」


 当然だろう、とリッジが笑い、暗くなればもっとおもしろいよ、とトレイシーが周りの景色をさす。


「いくらうっそうとしてても、こんなにはっきり見えちゃねえ」



「ねえ、肝試しって、・・・出るの?ほんとうに?」

 ジェニファーのうかがうような問いに、出る、とピートが断言した。


「おれの知ってるやつが、前に夜、この森に入って、女とそのへんの木にもたれてヤッてたら、幽霊がでた」


「それって、ピート、あんたが見たんじゃないでしょ?」


「でも、そいつからじかに聞いた話さ。・・・鳥肌がたつような女の声がどこからともなく聞こえてきて、何かに足をつかまれた。そしたらこの高い木の上のほうを、白い影がゆらゆら動いていったんだ。・・・まあ、聞いた話だけど、本当だって」


 へえ、とばかにした顔でトレイシーがジェニファーにうなずいてみせた。

 ピートの女ぐせの悪さはとっくに知っている。

 ヤッていて幽霊を見たというのもピート自身だろう。

 

 意外なことにトレイシーはそのことで、心配してくれるのだが、ジェニファーはどうでもいいと思っている。

 べつに、好きになっていっしょにいるわけではないのだから。



「でもそれじゃあ、幽霊なんだか、変な声をだしてしっぽにビニール袋をひっかけたリスなんだか、わからないわね」

 ジェニファーの冷めた言葉に、トレイシーとリッジは爆笑し、ピートは、リスなんかじゃねえよ!とジェニファーの肩を突き放した。


「だいたい、声がしたのは白い幽霊とは別の方向なんだぜ?こんな所に夜中、女が一人でいるわけねえだろ」


「こんな所に夜中に忍び込んでセックスするバカもいるんだから、わかんないわ」

 やりこめた、とトレイシーと目配せして笑ったとき、がさり、とすぐそこの茂みから男が現れた。




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