人を集めて捜索
思わずザックはききなおす。
「手伝った? だって六年前じゃ、おまえ十四歳くらいだろ?」
「ああ。あの事件は、とにかく《人を集めて捜索する》ってのをやってたんだ。二コルも手伝ったって言ってたろ? 訓練生とかもみんな集めて、森の中の大捜索だ」
「だけど、毎回なんにもみつけられないから、今回からは《誰かさん》の指示で、訓練生は投入しないらしい」
ハムをケンからとりあげたジャンが、意味ありげに付け足す。
「なんだよ、《アイツ》か。 ―― ま、とにかくサラのときは身寄りがなくて、そのバンド仲間が葬式出したんだよなあ」
六年前か。まだ自分のことだけでいっぱいで、この先を迷っていたころには、目の前でジャンとハムを取り合っているこいつがすでに事件にかかわっていたのかと、信じられない気分になる。
「じゃあ、ケンって、いくつからここに入ってんの?」
きいてから、 しまった 、と思う。
この質問は、ケンにはまずかったかもしれない。
だが、目のあったジャンは笑いをうかべてうなずいている。
「あん?正式には15歳だ。だけど、バートと知り合いだったから人手がたりねえって、つれだされたんだ。バートなんか、それこそ、十二年前の最初の事件のときからかり出されてるぜ」
なんのわだかまりもなくだされたケンのこたえに、ザックは安心するのといっしょに、とまどってしまう。
ケンに関する『うわさ』を、自分は耳にしたことがある。
でも、いまそれを本人にききたいとは思わない。
ジャンが気をきかせたようにわってはいった。
「ああ、それってニコルが見たって言ってたな。バートは『特待』で会社にもう入ってたからな。警察官と警備官の大人の中に一人だけ、ニコルたちと同じ歳くらいの訓練生みたいな子どもがまぎれてて、やけに目立ってたって」
ケンが眉をよせた。
「あいつ『特待』じゃねえだろ。おれがバートに個人的に呼ばれたみたいに、そんときのあいつも呼ばれたんだと思うぜ」
だれに?とザックが聞き返そうとしたとき、玄関のドアがノックされ、ジャンがむかえにでる。




