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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
※※

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※ 種類がちがう


『ジェニファー、お願い。あんな子たちが友達だなんて、いわないで』


 初めて家にその友達を呼んだ日の夜。

 母親が泣きながら頼んできた。

 話を聞いた父親までが、お前とは《種類》が違うんだ、やめておきなさい、と悲しげな声をだした。


 まるで、『おまえのために言ってるんだ』というような顔で。


  人は見かけじゃないでしょう?みんな平等よ?それが、『 種類が違う 』?


 



          はなしがちがうじゃない。




 その日から、ふわふわの甘いジェニファーは消えた。








「ジェニファー!どこ行くの?」

「月の裏か鏡の国」

「待ちなさい!毎日毎日夜中に帰ってくるなんて!」

「毎日毎日起きて待ってるなんてごくろうさま」

「ジェニファー!」

 呼び止める母親を無視し、暗くなり始めた外にでた。


 家のそばには友達が車をつけて待っている。


 乗り込んだとたん、いつものようにぐちがあふれだす。


「まったく!ちゃんと高校を卒業できれば文句ないんでしょう?科目は落としてないし、成績だって文句つけられるほどじゃないわ。あんたが文句つけたいのは、この格好と友達についてでしょ?いいかげんにしろっていうの。この、偽善者!」


 先にのりこんでいた友達たちが笑い出す。


「毎度ながらジェニ、その文句はあんたのママにいいなよ」

 一人がくわえたタバコを指揮棒のように振った。


「知ってるでしょ?言ったら自殺されそうになったって」


「ママはそんなジェニファーみたくないわ!!」

 もう一人が声色をまね、みんなで笑う。


 運転席の友達が「愛されてんのよ」と皮肉をこめたように振り返り、ちょっとうらやましい、と声をさげた。

「あたしなんて、何日かぶりに会えば、『あら、いたの』なんて、猫並みの扱いだよ」


「ばーか。ジェニはおれらと違って『お嬢様』だぜ?こんな高級住宅街に、この車のなんて不似合いなこと!ほら、さっさとだせよ!また警察に通報されちまう!」


 馬鹿笑いしながらジェニファーは、ちょっとどこかがちくりとした。




  『種類が違う』と思っているのは、友達も、おなじなのかもしれない。






    ―― ※※※ ――





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