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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
〈幕開け〉 バーノルドの森事件

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29/272

てがかりなく

残虐表現あり


「そんで『ついに』、頭部も発見」

 ひどい表現だが、ケンの顔には、いつものばかにした笑いは浮かんでいない。


「これで五度目だ。―― また、三年の間があいて」

 バートの低いつぶやきは、警察官のマイクと同じものだった。


 ジャンも怒ったような顔でひきとる。


「そう、今回頭部が見つかったナタリ・キットソンの、《頭部のない》体が見つかったのは、およそ三年前だ。そのとき一緒に見つかったのはサラ・クロフォードの頭部だった」

 サラはおよそ六年前に体だけが先に発見されていた。もちろん、別人の頭部とともに。

 



 そもそもバーノルドの森で、頭部が切り取られた遺体が初めて見つかったのがおよそ十二年前。

 そのときは体しかなかったが、遺体の発見の経緯や損傷の具合から、《いままでにない猟奇的事件》として世間を騒がせ、解決を求む声も大きかった。


 なのに、事件はそのあと何の進展もみせないまま三年がたち、そうしてまた、次の被害者の頭のない遺体がみつかり、 ―― それと一緒に、三年前の被害者の頭部が見つかった。




 毎回みつかる頭部はなぜかミイラ化し、体のほうはいつも時代遅れな、だが質のいい黒いドレスを着ていた。このドレスもこの事件を特異なものにしている一因で、上等な生地とレースのそれは、いつも遺体にピッタリなサイズでつくられている。


 そんな事実があるにもかかわらず、なんのてがかりもつかめない警察への風当たりはさらに強くなった。なにしろ、殺害現場さえ特定できていない。



 捜査を続けているが何もつかめない警察はしかたなく、事件から三年ちかくが経つと、バーノルドの森を頻繁に見回ることと、前の被害者の頭部をさがすことに力をいれることにした。世間からの『無能』よばわりはおさまらないが、現状では、手のうちようもない。

 


 そして、また、新しい犠牲者がでてしまった。




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