警告
森の木々が下にひろがり、山脈はもちろん、マーノック湖と思える湖までみえている。
「ああ、ノース卿の城だ。 そんな景色が望めるのは。だが、―― 」
「ノース卿は容疑者からはずれてるなんて言わないでくれよ。だいたい、あの城の持ち主と一度はなしてみたいのに、警察官の一人が、その許可を《妨害》してる」
すぐに思い出したくもない顔が浮かび、レオンは自然とため息をつく。
「シェパードか・・・」
仲間の電話も盗聴するという腐った性根の男だ。
ふいにレオンの頭の隅に、何かの警告がひらめいた。
――― なんだ?
「・・・つまり、・・『バーノルド事件』でおまえたちは、ノース卿を疑ってるっていうことなのか・・・?」
レオンの頭の奥で、引き続き警告音が発せられる。
ジャンがはっきりとうなずく。
「そ。当時の指揮責任者は、シェパードだったんだって?城の教会は、中にも入ってないらしい。おれたちは、あの城の中か教会で、おかしな集会があったと考えてる」
「おかしな集会?」
「まあ、ローランドは逆に堂々とやってたんだけど」
「―― そうか!!」
レオンの中で、『警告』の答えがでた。
あの日、―― 。




