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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
〈ハプニング〉 森の保安官

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きいてた?


 いつものようにうすぐらい木々の間をさまよっていると、女のすんだ声が聞こえてきた。



「―― 道からはずれると、楽器の練習とかしてる人に会ったりするんで、またそれかなと思って、ちょっと見に行ったんです。きれいな声だったし。・・・でも近寄って聞くと、聞いたことのない言葉で、音程もあるようなないような、―― あ、ちょっと聖歌に似てるかもって思いながら、声をかけちゃいました」


 こちらが戸惑うほ驚いて振り返った女に謝りながら、自分はあやしい人間ではないと学生証を提示すると、笑いながらむこうも学生証を出したと言う。


「有名な音楽大だったから、すごいなと思って、ちょっと話しました」

「なるほど。そりゃきみ、りっぱなナンパでしょ。で?話したこと覚えてる?」


 ウィルの質問に困った顔のまま、記憶をさぐる。


「えっと、・・・たぶん学校の話と、音楽活動をしてるって。バンドの名前は忘れました。それと、―― 今のを聞いていたかって・・・」





 ――― 今の、わたしの『うた』を、あなた聴いてた?

 

 とっさに、青年は答えた。

 

 ――― ちょっとだけきこえたけど、あれって『うた』だったのかい?

     きみ、音大なのに音痴なんだね




「 なんだかわかんないですけど、ちゃんときいてたって言わない方がいいような気がして・・・」




 青年の答えに、よかった、とその女はわらった。




 ――― もしあなたがさっき、今のはなんですか?って声をかけてきてたら、わたし、あなたの爪を剥いで持って帰らなくちゃならなかったわ




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