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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
〈ハプニング〉 森の保安官

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259/272

№28 ― 森の『山小屋』

この章で前半はおわります




№28





 ザックは、この仕事について、ひどく長いときが経っているような感覚になっていた。



 配属初日にバーノルドの森に、またしても被害者がでて、その事件の『掘り当て』をしながら、マーノック湖から出た三人の若者たちのことも判明し、さらには警察官と一緒に薬物違反の容疑者を確保しにむかい、ようやくおとずれたA班の全休は、班長チーフの家で食事会を兼ねたミーティング・・・。



 だから、先日、公衆電話から家に電話したときに、兄にお古の腕時計を送ってくれと頼んだ。なのに、新品が送られてきた。

 添えられたカードを読んで、この数日で向き合った被害者たちを想い、自分がどれだけ幸せな人間かをおもい知って、鼻をかんだ。




 きょう、またあの森に仲間と来ている。



 冬の夕陽が、森の内側までを薄い色で照らしだし、まったくちがう場所のような顔をしているここの空気が、いまは景色に合った色をしてるんだろうな、と運転しながら口にしてしまい、横に座ったウィルが前髪を払い、ぼくが女の子だったら今のはちょっといいかも、とほめ、うしろのジャンが同意見だとうなずいて、新人の顔を赤くさせた。






 この森をあずかる保安官たちの監視所は、丸太でつくられた『山小屋』と呼ばれ、東口と西口と呼ばれる出入り口横にある。

 国道沿いにある東口から車で入った警備官たちは、いっせいに吠え立てた『保安犬』たちに片手をふりながら横を過ぎた。事務所の保安官たちはカップ片手に、不法侵入者たちのおでましだ、と笑ってむかえた。

 冬場のここは四時までには完全に人を追い出すことになっているので、人を相手にする時間が終わり、自然を相手にする時間がはじまる前の憩いの時間だった。



 『山小屋』は薪のストーブで暖められ、おとしたてのコーヒーの香りであふれる居心地のいい場所で、さらにパンフレットを置く棚には、木でつくられた鳥の置物やどんぐりでできた人形が棚に並べられている。



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