表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
劇場の ハドソン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

258/272

ひきとったのは



「でもハドソンの話しからすると、男の方でチケットを手配した可能性もあるんじゃないか?ジャンたちにはここで初めて会ったみたいに言ったけど、実はどこかでエミリーを見染めてて、彼女と『劇的』な出会いをするために、誰かをつかってここのチケットを買って、彼女に送ったとか」


 二コルが、ノース卿から贈られたという棚によりかかり口にしたのに、ウィルがないでしょ、と即否定。


「金も地位もあって人生経験のある男が、ウエイトレスを見染めたとして、そんなまわりくどい方法とる?逆だよ、逆。―― この劇場で、あんな芝居がかった、いわゆる 『おとぎ話』 みたいな出会いを 『演出』 されて、男の方が感激して、彼女にハマッタんだと思うよ」

 おとぎ話とはほど遠い人生を歩んだ男なら、なおさらだ、と断言。



「まあ、それは、あの券を手配したのが誰かってことで、はっきりするだろ。身元を確認すれば、あのご老人の身内かどうかもすぐにわかる」

 ジャンが身をかがめて箱に収まった本を何冊かとりだす。


 受け取り確認証には鑑賞券と同じ通し番号がふってあり、日付ごとに番号順におさめられていた。


 エミリーの券にふられた番号も容易に見つかり、その引き換え書類のサインを見た三人は一瞬黙り込んだ。


 

  《氏名》フィリップ・ゴードン



「・・・・み、身分証の確認番号がある」

 はじめに気をとりなおしたジャンが端末機を取り出し、書類に記載された数字を打ち込み、本部におくる。


 ウィルは怒ったように口をとじて棚をこつこつ叩き、二コルは鳥肌が立ったと告白した。


  本部からの報告が届くと、それをみてジャンが機嫌をなおした。

「このフィリップ・ゴードンは十五年前にこの州に移住してきたようだ。・・・ふうん。生活保護を申請して、とあるところに身元引受してもらってる。 ―― その施設が、どこにあると思う?」


「とある森の中にある」

「とある教会だと思う」


 ウィルとニコルが仲良く答えを当てた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ