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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
よばれる ジャスティン

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229/272

リラックス




  《あの》ケンが、本物のマークと一緒に、棚に押しつぶされた。


 

 その一報は、『呪い』の『証人』にされたジャスティンの背筋を、思い切り冷えさせた。



 が、死亡という情報ではない。



 いち夜明け、職場を離れると、すぐにジャンの携帯電話に連絡をいれた。

 ケンたちを心配するそぶりを見透かしたように、確認しに来るか?と、バートの家の場所を教えられた。



 ――― 休日にもミーティングか?




 教えられた場所に着くと、きれいに立ち並ぶ不規則なかたちの建物をみあげ、ねたみを通り越し、あきれた言葉がもれた。

「・・・なんだよ、これ・・・・バートって、幹部クラスだったのか?こんな金持ち?」



 指定されたガレージにバイクを入れるとすぐにシャッターが閉まり、防犯システムが作動しはじめ、シャッターの鍵穴が青く点滅しはじめる。

 自分が寝床にしている場所を思い浮かべ、大きくため息をつく。

 

 警察官になってすぐに決めたそのアパートメントは、仕事場から歩いて十分ほどの場所にあり、新人の頃は同僚にいいように使われる《簡易宿泊所》で、現在は緊急呼び出しで一番に連絡が来る《非常時連絡所》になっている。



「よお」と大きな門のむこうに、ジャンが現れたのに、「あいつ、実家の仕送りで借りてんじゃねえの?」とやっかみをこめて言えば、同居人と二人で借りてるんだ、と教えられた。

 

 なるほど。

「―― 女か?」


 階段を先にのぼるジャンが、あのなあ、とあきれたように振り返り、めずらしくかたいこえをだした。


「―― 口に気をつけろ。場合によってはおれがつまみ出すからな」


 あまりない真剣な様子に素直に謝って、ジャスティンは口を指でつまんで閉じた。

 だが、階段をのぼりきり、ドアをあけ歓迎の声とともに笑顔を向けてきた男の《超》整った顔を、目の前にして、つまんだ口は、ぽっかり開いた。


  





「おまえらの休日って、いっつもこんなふうに、みんなでいっしょなのか?」


 あきれた様子のジャスティンの問いに、ジャンが、まさか、と笑う。


「おれらはバートに呼び出されて昼前に到着。そしたら、ルイとザックもケンたちを心配して、先に来てた。―― でも、結局なんだかんだと、集まることは多いかもな」

 うちの班は二コルのほかは独身で、家庭料理に飢えてるからなと言うのに、自分もノアのところでよく食事をする男は納得する。


「まあ、とくにバートの家はこんなに広いし、男だけで仕事の話をしながら集まるには、都合がいい」うまい飯もでるしな、と立ち上がったジャンは、キッチンの大皿へおかわりしにいってしまった。



 たしかに、みんながリラッスクして食事を楽しみ、会話を楽しんでいる。



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