表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
ジェニファーの呪い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

211/272

拾った



 煮詰まって真っ黒なさめたコーヒーをすすり、書き溜めた自分の作品ノートを整理する。

 常にノートを数冊持ち歩き、どこで『きっかけ』にあっても大丈夫なようにしてあるのだ。


「ちくしょう・・・」

 ノートの冊数を確認していて、またそれを思い出す。


 先週この店にきたときに、一冊、落とすかなにかでここでなくしてしまったのだ。

 そんなもの落ちていなかったという店員に何度も確認すれば、最後には、そんなに大事なら金庫にでもしまっておけと怒鳴り返された。ローランドは、店員の太い腕をにらんだが、もう何も言えなかった。


 ――― ついてない

 ノートに書いたものは、なくなってしまった。手で書くことにこだわっているので、PCには残していない。

 機械が使えないわけではない。持ち歩いている端末機械から、暇さえあれば、メッセージリンクにつなぐし、検索もする。


 ――― そうだ。そういえば、なにか入ってるかな・・

 この店で、自分の創作ノートをなくしたことを、さきほどひどくおおげさになげいてみせたのだ。

 ひらいた端末に、自分のメッセージに対するものがいくつかあがっているのを確認する。同情するものから、あの店員のような反応のものまで、文頭だけに目をはしらせてゆく。



『  あなたの大切なノートを・・・・・』


 ――― ん?

 流していた中で、ひっかかり、戻ってつなぐ。




『 あなたの大切なノートを拾いました。勝手に中を読ませてもらいましたが、あまりのすばらしさに興奮して、夜通し何度も読み返してしまいました。すばらしい才能をお持ちのかただとお見受けしました。

 P・ローランド様。ぜひとも、わたくしの専属作家になっていただけないでしょうか?これは、冗談の類ではありません。メッセージを、送り返してください。わたくしの住まいに遊びにいらしてください。


           わたくしの名は、ハロルド・デ・ノースといいます。     』







     ――――― ※※※ ―――――





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ