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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
ジェニファーの呪い

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棚と棚のあいだ

 

 なので、てっきりケンも同じ考えだろうと思っていたのに、あの怒りは意外だった。


 

 ――― レイに危害が及ぶのをひどくおそれているのか、なにかが今日、《起こる》と考えているか・・・



 ケンの考えをのぞくかのように、その笑っているような目をのぞけば、何かに気づいたような男が、突然肩を組んで言った。

「似てて当然。実は、おれたち、遠い親戚らしい」


「ほんと!?」


「どうしてそういう嘘つくかな。それより、レイ、悪いけど、香辛料を一つ忘れてた。『サンショウ』ってあるかな?」肩をおさえられたマークが頼む。


「なんだもお、またケンに騙されるとこだったよ」

 『サンショウ』探してくるとレイが棚のつきあたりを曲がって消えると、ケンが両側に高くそびえる棚に目を走らせ、ゆっくりと、カートに上体をあずけた。


 

 木材で重厚につくられた高い棚には、ラベルをこちらに向けた商品が、びっしり並べられている。

 きいたこともないソース類、何種類もの調味料、ドレッシングの瓶などがつめられた棚に、はさまれた通路にいる。



 ゆっくりとケンが言葉をだす。

「・・公園にいたときと同じだな。 監視はしてるが、なにかを仕掛けようって気配はねえと思ってるだろ?」



 マークはうなずいた。


 店の中にはそれなりの数の客たちが、同じようにカートを引いてまわっている。



「――― おれがガキのころ、・・・ある場所に、一人でほうりこまれたことがある」

 カートに積まれた商品の上にあるケンの顔は、前をみたままだった。



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