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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
ジェニファーの呪い

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機会をうかがう





 つまらなさそうにカートを押す男の横顔を、マークはうらめしげに見る。


「正直、はじめておまえのこと観察した」

 まだ痛みが残る喉元を自然と撫でていた。


 すました顔がこちらをむく。

「マーク、覚えておけよ。おまえがなにか、レイにひどいことをしたら、おれはためらわず、おまえをヤる」


「・・・忘れるよ。現役警備官の発言じゃマズイだろ。それ・・・」


 肩をすくめるマークににやりとしたケンが、先をゆく細い背に眼をもどす。


 するとそれがふり返り、楽しそうに二人を見比べて言う。

「そっか。そうやって二人そろって同じ格好にすると、たしかにちょっと似てるかもね」

 レイの言葉に、満足そうな男二人は顔を見合わせた。




 ジェニファーはケンのことを《マーク》だと思っているのだから、彼女が『神様』にじかにお願いするのだとしたら、《マーク》だけが狙われるはずだ。ところが、《マーク》一人のときには何も起こらなかった。

 『神様』はもしかして《マーク》の正体がわかっているのかもしれないから確認してみようぜ、と楽しそうに提案したケンと、色違いのシャツを途中で取り換えた。

 『神様』が遠くから見ているとしたら、これでもう見分けはつかないだろう。


 マークだけを狙う機会をうかがっているのだとしたら、今日も何も起こらないはずだ。

 ただし、もしもはじめから『正しく理解』しているのだとしたら、マークとケンがそろった今日のこの機会を狙ってくる。




 けれど、マークは実のところ、きょうはもう何も起こらないだろうと思っている。


 《監視》はされているが、人目の多い場所にしかいないし、レイという存在が加わったのだから、こちらは三人になった。

 この状態で《マーク》に何か仕掛けるだろうか?



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