表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
〈やまば〉 つかまえにゆく

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

195/272

いい迷惑




「聞いたか?機嫌が悪そうな男だってさ」

 ルイが微笑みかけたニコルが、微笑み返して言う。

「おれはいつだってご機嫌だろ?」

「そうだっけ?ザック、どう思う?」

「・・・・・緊張で吐きそう」


 エレベーターの箱に詰め込まれた警察官たちに抑えた笑いがおきる。


「安心しな。みんないっしょだよ」

 警察官の一人が声に出しなぐさめるが、ザックは腿につけたホルスターの中身を確認するようになで、周りをにらむ。

「・・・いっしょじゃねえって。あのさ、おれ、『確保』のために出るの、初めてなんだけど」


 わーお、と反応した警察官たちがいかがわしい例えを持ち出しながら、初体験おめでとう、と手をたたく。

 同僚のルイとニコルは、そういやそうだ、なんてのん気に笑い、ザックの背中を強く叩いた。




 エレベーターが止まり、開いたドアのむこうに、まっすぐに裏の建物へと続く通路が見えた。


 目の覚めるような朱色の絨毯は下のレストランとは違う空間であると主張している。


 箱からすみやかにおりた警察官たちが盾をかまえ、ひとあし先に二人だけでむかった上司たちの背中を探すが、むこうにのびた通路の先、入り口のドアは開いたままで、人の気配はない。


 まさか・・、とニコルがつぶやき、盾を構えた警察官たちが先にゆく。



「まったく。―― 思った通りだ」


 開いたままだったドアをくぐれば、ごつい男たちが折り重なるようにして倒れている。


 倒れた男たちの身体から銃器や刃物をとりあげた警察官たちが、苦笑して、いいコンビだと、上司たちの仕事をほめた。


「バートはさ、ノアと一緒だと、おれたちが言ったことなんかすぐに忘れるんだよ」

「ノアも、バートといっしょだと若くなった気になるって言うよ。多少のムリがきくってね」 


 ルイと警察官のそれにザックが「こっちはいい迷惑」とこぼし、皆の同意を得る。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ