泊まっていけ
「・・・はあ?脚本をかいた男?なに、どういうことだよ?」
「話しすぎて喉がかわいた」
お茶を飲みながらにしようじゃないかと立ち上がると、思い出したように指をたてた。
「そうだ、バートがおまえたちに渡せばいいと言ってたから、あとで『証拠品』も渡そう」
「ちょっと・・・何の『証拠品』だって?」
「なにか白い粉なんだが、どうにもあやしい《クスリ》らしい」
「!?っと、とうさん!?」
「もちろん、未使用だ」
「そうじゃなくって!なにをっ、」
再度、むこうから、お茶の席に来るようにと、女の声が命じた。
言い合う親子を見ている同僚たちも、すぐにもくわしい話を聞きたいというように、椅子から動かず説明を待つ。
が、お茶を飲みに行かないと怒られるぞ、と白髪の男が若者三人をせかしてドアへとむかう。
「おまえに話したら、ひどくすっきりしたよ」
ひとり機嫌よく先を歩く父親に、一気に疲労感を味わったウィルの両側に立った仕事仲間が肩をいたわるようにたたいた。
二コルが、ついでにウィルに提案。
「あきらめてもう泊まっていけ」
「やだよ!」
ウィルの『泊まり』は決定した。




