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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
残ったのは ジェニファー

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矛盾した状況



「まず、きみは、自然保護法で裁判にかけられるのは決まってる。 保安官はきみの顔も忘れていないからね。それに、あの三人の水没事件にきみがかかわっているのは、決定だとぼくは思う。だから、訴えられない」


「ばからしい。証拠でもあるっていうの?電話をかけただけよ?」


 挑むように向かいあったジェニファーが、負けずに腕を組み、頭をかたむけてみせた。


「何の用で?」


 《マーク》の問いに一瞬詰まったように、赤い口が硬く閉じてから、ゆっくりと開く。

「・・・あの三人に、文句を言いたかったの。国道沿いに迎えにくるよう、言ったわ」


「そこで待っていた?」

「そうよ」


「それから?」

「『心配してたんだ』なんてやってきたあいつらに、おもいきり罵声をあびせて、車をけとばしてやったわ。 そしたらピートが怒って、・・・またしても、わたしを置いて、はしりさった」


「きみは、彼らと一緒じゃなかった?」

「だから言ってるでしょ?やったのはわたしじゃないって」



 いらついたようにまた歩きだしたのを喜ぶように、《マーク》が微笑んだ。



「―― それなら、聞こう。きみがやっていないというのなら、きみの代わりにあの三人に手をくだしたやつは誰だい?きみは知っているんだろ?」


「・・・しらない」


「しらない?そうか、・・・ならやはり、ただの『偶然』ってことだね。きみの言うとおり、あの三人が死んだことにきみは全くかかわりがない。 つまり、―― 彼らはただの、事故死だった」


「それは、ちがう!」


 その否定に驚いたジャスティンは、手にした録音機を止めそうになる。



 ――― なんだ?矛盾した状況だな・・・



 足を止めずに《マーク》をにらむ女は、せっかく出た『事故死』という言葉を強く否定した。


 普通、自分が疑われている状況ならば、喜んで受け入れるべき言葉なのに。




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