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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
残ったのは ジェニファー

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155/272

おいてきた



 質問するジャスティンに、空になった缶を返したケンが、シートにもたれる。


「《仲間》からおもしれえ話をきいたから、それを確認しに行く」


 おもしろい?と、思わず聞きかえしてしまった。


「車で沈んだ三人と、いつもいっしょだったジェニファーは、ある日を境に《仲間》のところに、まったく姿をみせなくなった」


「見せなくなった?それで?」

 完全に警備官のペースだが、聞かずにいられない。



「根っからお嬢様なジェニファーは、そいつらと付き合っていても高校にちゃんと行ってたし、そのうえ成績優秀だった。あの倉庫には入り浸るようなことはなかったっていうから、ほんとは好きじゃなかったのかもな。―― ある日、いつものように彼女ぬきで倉庫に帰ってきた三人は、こわばった顔でまったく何もしゃべらない。あまりにおかしな雰囲気だったんで、倉庫にいた仲間が冗談で、『どうした?ジェニでも埋めてきたか?』ってからかった。そしたら、ひどく興奮したピートに怒鳴り返されて、いきなりなぐられた。―― どう思う?」


「どうって・・そりゃ、彼女とケンカ別れでもしたんじゃないのか?だって彼女、レオンの事件の時にそいつらといっしょにいたんだろ?本物のお嬢様なんだし、そんなことに巻き込まれたら、もういいかげん目も覚めるだろ」



 身を起こしたケンがぐっと顔を寄せる。


「そう。『目も覚め』ただろうな。―― そいつがピートに殴られた日は、レオンの事件があった日の夜だ」


「ああ。だから、ピートはジェニファーって子に振られたんだろ?」

 みんなの予想どおり。

 

 その答えにケンは満足そうににやけてから口にした。



「はずれ。 ―― 振られたんじゃなくて、おいてきたんだ。ピートたちは」



「 え?・・・なにを?」



 ピシッ、とケンのはじいた指が眉間にはまった。


 悲鳴をあげるジャスティンに、いいかげん起きろよー、とつまらなさそうな声がつづける。



「『なにを』って、決まってんだろ、やつらはジェニファーを、現場においてきたんだ」


「うそだろ!?」




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