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A班ファイル ― 魔女は森では踊らない ― 前編  作者: ぽすしち
レオンの事件

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『おじさん』


 ジャスティンの説明にエバが口をまげ、警察に世話をかけるのが自立の基準?と質問し、みなが口元をゆるめあう。

 

 エバに甘ったるい視線を送った《無精ひげふう》の男が続けた。

「まあ、そういう家もあるってことだ。―― こいつらと、そのほかの友達で、《芸術運動》とかいうのをやっていて、借りた倉庫でつくった《作品》を路上で売ったり店に売り込んだりで、どうにか食いつないでたみたいだ。基本、定職にはつかないのがその運動の信念らしい。まあ、寝泊りもその倉庫だし、パートタイムの仕事はしてたみたいだから、食うには困ってなかった」

 

 クスリを買うこともできたぐらいにはな、とノアの皮肉がはいる。


「そのとおり。本物のギャングになりきれない、“悪ぶった若者達”のはめをはずしすぎた遊びってわけだ。―― ふう、まさかノアが気にするとは思ってなかったな。真面目に仕事しててよかった~。いいか?ぼうやも気をつけろよ。 あのおっさんは、気になったらどこの部署の事件だろうとつっこんで質問してくる。答えられないと、それから一切相手にされない」


「おれは『ぼうや』じゃなくて、ザックだよ。それから『おじさん』、そんな真面目にした仕事なら、その資料みんなの端末にあげたほうがいいんじゃねえの?」


 その通りだと笑いがおこり、濃い無精ひげを撫でたジャスティンが、「おれジャンと同じ歳だぜ」まだ『おじさん』の領域じゃないはずだ、と端末機をいじった。


「じゃあ『おじさん』っていくつからだ?」

 いつのまにかもどったケンがにやけた顔でマイクにきく。


「ケン、なんでおれに聞くんだ?」

 マイクが憮然と聞き返したとき、「ああ・・まったく・・・」とうめくような声があがる。



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