007【 ラブリータ 】
「ここがコバヤシが言ってい研究所っていう所なのね」
「そんなに珍しいキノコが好きなら、【ラブリータ】って知っている?
今、森の管理人のコバヤシが研究中なんだ・・・ハート型のカサらしい」
「知らないわ。楽しみね、ね、ニャオタ?あれ?ニャオタ?」
コバヤシのいる研究所にニャーコとニャオタを連れて来たギフト君とムルムル。
側にある子猫でものぼれる木の枝から、ジャンプして側に来るニャオタ。
そしてニャオタの頭の上には、ギフト君の親友のムルムル。
「『ニョッキ・ニョキニョキ・ウー・ウォーリー♪』」
魔法の森にある昔からある歌をうたっているニャオタとムルムル。
研究所の中に入り、あいさつを終えると、ニャーコがラブリータについて聞きます。
「これはね・・・」
「ニャーオ・・・パクッ」
「『あ”っ』」
コバヤシが手に取って見せたラブリータを、食べてしまったニャオタ。
ニャオタは二本のシッポをくねらせます。
するとキラキラした光がデスクの上にあるぬいぐるみの方へ宿りました。
☆○゜❤*⋆*~。.〇☆*☆⋆。*~☆❤☆❤☆
耳がドーナツみたいなクマのぬいぐるみが、ぽとり、とかたむいて床に落ちて・・・
自分の力で起き上がりました。
「イテテ・・・なんだもーう・・・どうしてんよ?はぁ~・・・ん??」
ぬいぐるみをじっと見つめていたコバヤシがニャーコに聞きました。
「まさかニャオタは魔法がつかえるのかい!?」
「それがなによ?」
「【ラブリータ】を魔法がつかえる者が食べると、『何か』に命を宿らせてしまうんだ」
「は~・・・えっ、じゃあ、そのぬいぐるみ・・・」
「え?僕?僕のこと言ってる?ああ、動けるようになったよ。
どうしらいいんだろう?ニャオタとトムのことが好きなのだ」
トムとは、コバヤシのこと。
魔法の森の管理人コバヤシは、トム、と言う名前です。
「文献によると、ラブリータにより命宿りしものは、命与えたものが必ず好き」
「うん。ニャオタが好きだよ」
コバヤシは泣きそうです。
「小さい頃から一緒にいたのにっ・・・僕のことはっ!?」
「君のことも好きだって、さっき言ったでしょうに」
「じゃあ、眠る時にまだとなりにいてくれる??」
「ニャオタがいいって言うんだったら、別にそれでいいよ。
なんだったら、研究の仕事手伝うよ」
「ニャオタっ!!それでいいかい?」
「おーともーだちぃ~♪ニャーッ⋆❤*」
「ここにおいてもいいよねっ!?」
「いいよ~♪ニャニャニャニャーン❤」
「なんだ~・・・よかったぁ・・・マローンはパパからもらった大事なぬいぐるみなんだ」
「マローンって言うの?」
「うん。そうだよ。僕、マローン。よろしく~」
この日から、ギフト君たちにマローンと言う新しいお友達がふえましたとさ。
マローンの得意なことは、普通のぬいぐるみのふりをする、なんだって。