003【 レジェル 】
魔法の森の広場には、コバヤシが作ってくれたブランコがあります。
そのお気に入りのブランコに乗りに来たギフト君とムルムル。
自分の畑でとれた野菜を使ったサンドイッチをバスケットに入れてあります。
ブランコに乗って、空を蹴った気分になるギフト君。
「ん?ギィ!!大きなイチゴが歩いていますよ!?」
「んなわけ・・・ワァ~オ・・・マジかよ~」
見られているのに気づいたのでしょうか。
その大きなイチゴみたいなものが、走って『苺沢』へ。
「早っ!?見に行こうムルムル!!」
「ちょっと怖いけ~ど、OKでぇす。レッツラゴー」
『苺沢』は、イチゴが自生する広場の一部で、ギフト君たちの時々おやつ。
ガサガサとイチゴを食べながら、謎のイチゴっぽいものを探します。
ビクッと動く何か。
なんとそこには、泣いているイチゴ柄のカメ。
「なんだぁ~。イチゴにそっくりなカメさんかぁ~。大丈夫。怖がらなくていいよ」
「僕はおくびょうなんです~。特技は走ることです~」
「たしかに、足早いですねぇ。一緒にお話ししながらランチでもいかが?」
「ぼっ、ぼくとっ!?いいんですかっ?僕のこと変だって思わないんですかっ!?」
『「ちょっと変わってるなぁ~って思ってる」』
「うれしい!!僕の名前はハルシでっす!!お友達になってもらえませんかっ!?」
『「いいよ~」』
自己紹介をして、一緒にブランコで遊ぶギフト君とムルムルとハルシ。
「僕、ブランコ乗ってみたかったんだけど、自分ひとりでは乗れなくて・・・」
「そうだったのか~・・・これから時々ここで遊ぼうよ。だから泣かないで~」
「そうです。そうだ。ランチにしませんか?塩漬けの薄切り肉と野菜のサンドイッチ」
「それなら、木のうろにはえているキノコをスライスしてはさんで食べませんか?」
「生でいけるの?」
「レジェルって名前で、食べると成長にいいんですって」
「レジェル!?コバヤシが言ってた!!食べないと本物かどうか分からないって!!」
木のうろの中には、黄緑色を基調とした白い水玉模様のキノコがはえていました。
つんでたてにスライスしてサンドイッチにして、パクパクペロリ。
にょ・・・にょにょにょにょにょにょにょにょにょにょっ!!
『「うわあぁーーーーーーーーーーーー!!ギィ~~~~~~~~~~~~~!!」
「・・・え?」
気づけばギフト君は、
空に天井があったなら突き破ってしまうほど大きくなっていました。
しばらくすると元の大きさに戻ったギフト君は、キノコを研究所へ持っていきました。
コバヤシによると、レジェルは伝説を作ると言われている以外謎なキノコなんですって。