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足音

作者: 初瀬川渚

 パソコンの前で作業をしていると、ふと空腹な自分に気づいて時計を見ると、夜の九時であった。白米を炊いてもいないし晩ご飯にシリアルというのも味気も無い……。

 マックに食べに行こうかとクーポンを見て出かけようとしたが、流行り病で全店舗で持ち帰りが、ドライブスルーのみとなっていることを知って、私は「仕方がない」と口の中で言って、コンビニで何か買おうと上着を着ると外へでた。


 良く歩く道で、知らない道でもないのだが、静かでまっすぐに延びた夜道は延々と続きそうな不気味さを醸し出す。

 しばらく歩いていると、後ろから足音が聞こえてきた。

「さっき、右に道があったから、そこから人が来たのだろうか?」と思いつつも、なんでだか、わざわざ振り返って確認するのも失礼な気がして、歩き続けた。

 だが、一定の距離を保って歩いているような、そんな気がして急に怖くなる。怖いと思ったら、別の意味で振り返れなくなった。

 ただ、所詮はただの足音ということもあって、よく考えたらそんなに怖いものではないなと考えに至ると怖さも無くなり、数分後には大通りに出て信号待ちをして「早く青信号にならないかな」と考えていて、もう足音のことについて忘れていたのだが、よくよく考えると、ここまで一本道だったのに、大通りに出てすぐの信号で待っていたのにも関わらず、『後ろから誰も来なかった』ことに横断歩道を渡ってから気づいて「あの足音はいったい何だったのだろうか……」と考えてしまった。

 ……もしかしたら、足音ではなく別の音だった可能性もあるとか、色々考えてみたものの答えは出ずに、コンビニで買い物を終えて、また同じ道に入ってから「もしかしたら、足音が聞こえてくるのではないか」と緊張しながら歩いていたのだが、何事も無く家の中についた。

 道中、家に帰ると幽霊がついてきていた! なんてことも考えたりもしたのだけれど、そんなことも無く……。

 足音だと思っていたものは、本当に足音だったのか? それとも本当に足音だったのか……。

 知る術はない――。

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