重力加速度によるGの増加
「みゃぁ~」
その声の後に僕のお腹の上に謎の重さを一瞬感じた。
「う゛う゛っ!」
落ちてきた何かの重さと落ちてきた高さ、重力加速度(9,8m/s)により地上にいる重さよりも重い何かが僕のお腹の上に落ちてきた。
「みゃぁ」
「鳴いたから許される事じゃないよ」
落ちてきたのは猫だった。正確に言うと降りてきただ。
「ゴロゴロ」
「甘えてきてもダメだから」
そう言いつつも僕はこの猫を撫でていた。
「お前とはもう長い付き合いになるなぁ」
僕が小学生3年生の頃に家にやってきた。理由としては、『僕がいぢめられていて、転校した際に僕の心の拠り所として』と両親が言っていた。
アメリンカンショートヘアで黒と灰色の毛並みで四足歩行している時の見えるお腹の部分にはハートマークがある。メスである。名前は『ルキ』
「みゃぁ~」
僕が手を出すと自らの頭をこすりつけてきた。
「ここが気持ち良いの?」
撫でているうちにゴロンと横になり僕の腕をルキは抱いてきた。
「いつも思うけどルキは可愛いなぁ」
ルキとじゃれていると頬が緩んで自然と笑顔になってしまう。アニマルセラピーと言う物なのかただルキが可愛いだけなのか。
「ゴロゴロゴロゴロ」
抱いている腕にルキが爪をたてていて、腕が痛い。
「ルキ、爪痛いよ」
ルキが腕に抱きついた後に爪をたてた場合、次は必ず手を噛んでくる。パターン化しているためもう慣れているけど痛いものは痛い。
「んっ!」
やはり、ルキは僕の手に噛みついてきた。噛みながら後ろ足で腕を引っ掻いてくるため、とても痛い。
「……」
ルキは耳を立てて噛みながら引っ掻いている。とても器用な事をやっていると思う。何か怒らせるような事をしてしまったのかと内心とても不安になる。
「ルキ~もうやめて~痛いから!」
ルキを半ば強引に腕から引き離すとルキは横になっていた体を素早く起こして、走り去って行った。
「逃げ足は速いんだから」
ルキが最初に家にやってきた時はとてもすごかった。小さいゲージの中で過ごしていたためか、かごから出した途端に家中を走り回った。縦横無尽に走る姿に僕は心を奪われた。
数日が立って家に慣れ始めた時には自分のお気に入りの寝場所を見つけたのか、僕が家に帰ってきた時にはほとんどそこで寝ていた。
「ルキ、おいで~」
僕の声に反応したのか、ルキは僕の方へやってきた。
「みゃぁ」
「よしよし。よぃっと」
僕がルキを抱き抱えるとルキは僕の腕の中で甘えたように喉を鳴らした。
「かわいい」
僕がそう言葉をこぼすとルキは『かわいい』と言う言葉を理解しているかのように鳴き返した。
「みゃぁ~」
抱いていたルキを下に降ろすとルキは僕の足に擦り着いてきた。擦り着いた後に上目遣いかのように、顔を上げて僕の顔を見ていた。
「何かほしいの?」
答えが返ってこないとしりつつも、問いかけないといけないと僕の中の何かが言っていた。
「ん?」
答えは返ってこなかったが、ルキはその場に寝そべった。その姿かた『撫でてほしい』と言っているような気がした。
撫でてあげると、ルキは喉を鳴らし始めた。
「ゴロゴロ」
一定のリズムで鳴る喉の音がとても心地よく聞こえた。
いつしか、喉の音は消え、ルキは眠りについていた。
猫っていいですですよね。すごい自由で。慣れるなら猫になりたいです。うちでも猫飼ってるんですけど、すごく可愛いですよね。見てるだけで癒されるというかなんというか。
おすすめです。