立ち去った彼女が残したものは…(200文字小説)
「ここ、いいですか?」
「どうぞ」
ラッキーだと思った。
声を掛けてきたのが綺麗な女性だったから。
彼女はタバコに火をつけると深く息を吸い込んだ。
吐き出した煙が僕の方へ流れて来た。
「ごめんなさい」
「大丈夫ですよ」
僕もタバコを取り出し火をつけた。
「同じですね」
「そうですね」
僕が取り出したタバコは彼女のものと同じだった。
彼女が去った後には口紅の跡がついた吸殻と甘い香水の香りが残っていた。
まあ、それだけの話だ。
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