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ホムンクルスは在り方を探している。  作者: のん
嵐の前の静けさ
1/4

僕の平穏な日常

主人公周りの説明とか諸々。

少し平和な回(説明回)が続きます。

次回は魔法と主人公のポテンシャルについて

鳥のさえずりが聞こえる

もう朝で僕は夢を見ていたようだ。僕以外の誰かの夢だ。何か大事なことのような気もする。

部屋を出て、一階へと降りる。

「ジークさんもフェリアさんも起きてないか」

同居人…いや、一週間ほど前から僕の義父母になったガルシア夫妻の名だ。まだ父と母と呼ぶことに躊躇いを感じる。

戦争孤児であり、引き取られる前までの記憶を無くしてしまった僕のことを厄介がらずに引き取ってくれた夫妻にとても恩義を感じている。

しかし、どこか1歩。踏み入れられないと感じてしまうのだ。

「二人もそろそろ起きるだろうし朝ごはんを作っておこう」

僕は、簡素だがベーコンとタマゴを焼き野菜を切って盛り合わせ、ベーコンエッグとサラダを作った。

「いい匂いがすると思ったら今日はあなたが作ってくれたのね。ありがとうルーク。おはよう」

女性の声。フェリアさんだ。

「おはようございます」

そんな朝の挨拶を交わしていると大きな欠伸をしながら筋骨隆々で強面な人。ジークさんも寝室から出てきた。

「二人ともおはよう。今日の朝ごはんはルークが作ってくれたのか?美味そうだな」

「えぇ、二人ともいつもごめんなさいね。私の体さえ良ければ…」

気にすることはない。そういった旨の言葉を僕もジークさんも彼女へとかける。

フェリアさんは病弱というわけではないが戦争で何かしらの不幸にあったらしく立ち続けたり重いものを持ったりすることが難しいようだ。この二人はどちらも前回の戦いで前線にて共に戦っていたとのことだ。

僕が住んでいる西の王国ラガンシアは東の帝国ムーレッドと長年戦争を続けている。あまりに長期に渡るこの国家間の戦争は激しくぶつかっては一時期の停戦に入り、また激しくぶつかるという状況を繰り返している。

今はまさに停戦期に入ったというところだ。

「さて、食べようか」

ジークさんが席につくなりそう言い、食べ始める。

僕もフェリアさんもそれに続けて食べ始めた。食事中の会話は至って普通の家族のもので、今日は天気がいいから気分もいいだとかそんなふうなものだった。


食べ終わるとジークさんは家を出る準備を始めた。魔物狩りへと出向くらしい。僕達は王都に隣接する森に住んでいる。

大きな理由としては二つ。

一つは、ジークさんが国より魔物が絶滅も大規模な繁殖もしないように魔物を密猟者から保護したり、また狩って間引くため。

もう一つとしては、フェリアさんの怪我の療養のために自然に囲まれていた方がいいのではないかとの考えのため。

この二つだ。

「今日は大物を狩れる予感がする…ルーク。家のことと母さんのことは任せたぞ。じゃ、行ってくる」

行ってらっしゃいと二人で彼を見送る。

僕は、まずは洗濯を済ませよう。それからは薪を割り、昼ごはんの準備をして、フェリアさんと共に読書をしよう。


「ルーク。本ばっかり読んでてつまらなくはない?」

共に本でも読もうと、隣に座ったところでフェリアさんから急にそんなことを問われた。

「いえ、本はいいものです。知らないことを知ることはとても楽しいと感じます。それに本を読んでいると落ち着きます」

「あなたは同じ年頃の男の子に比べて大人しいのね。でも、こうして平穏な時間を誰かと過ごせるのはとても嬉しいことね。少し前なら考えもしてなかったもの」

「そうですね」

その後の会話は、お茶がいるかとか茶菓子の補充が必要だ、とかそんな他愛のない会話がある程度であった。昼ごはんはサンドウィッチを二人で食べた。


夜になって、ジークさんが帰ってきた。持ち帰ってきたのは巨大な猪だった。そして、それはそのまま晩御飯のおかずとなった。


その肉体は戦士でなければ刃もたてられず、魔法にもある程度の耐性を持つ。それが魔物だ。そんな魔物の肉は喰えるのか?と、最初僕は思った。結論から言えば食べられる。現に食している。

その理由は彼らの生物的特徴に基づく。生物には魔路(ルート)と呼ばれる器官が存在する。魔路とはその名の通り魔力の通り路のことである。ルートを巡る魔力のみで活動をする魔物は筋肉が発達せずにとても柔らかく血管がないため血抜きの必要が無い。それため食用として親しまれているのだ。


晩御飯を食べたあとは眠りについた。

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