現状の把握
ルシアと出かけた日から、早3日が経った。入学日まであと約2週間だ。
私は自室に引きこもっている。
あの日の帰り、馬車から降りると一目散に駆け出し、部屋に入り夕食の場にも現れなかった。
家族やルシアとは、一切顔を合わせていない。
一応は魔法の研究で篭りたいと告げ、1日2回、メイドに食事を運んでもらっている。
洗濯物はその際に渡し、部屋のバストイレの掃除は自分で行っている。
「ゲーム内で、悪役令嬢が風呂掃除って、、笑える」
自分で決めた行動とはいえ、なんだか滑稽だ。
「現状把握しなきゃ、ルシアと合わせる顔が無い、、」
1.ルシアは、従者としての敬愛以上の感情をエミリーに抱いている
2.馬車の中でエミリーにキスをした
3.告白はしたが、恋愛対象になって欲しいわけではなく、側にいる
4.ただ、時々はご褒美としてキスがしたい
...3番4番あたりは、はっきりそう言ってたわけじゃ無いけど、3日間の反芻と推敲の結果、この結論に至った。
人から好意を寄せられるというのは、こんなに恥ずかしいものなのだろうか、、
「ゲーム内なら、画面のハートの数で好感度分かるのにな。。」
ゲーム内では、スクールカウンセラーのようなヒーラーがおり、その人に恋愛相談をすることで、好感度や友情度が見れたのだ。
「この世界で、悪役令嬢がその仕組み使えるか分からないし、相手が従者ってのも無理くさい、、」