樹里ちゃんの引っ越し祝い~酔いどれ軍団の乱痴気騒ぎにスチャラカOL律子が乱入~
酔いどれ軍団のボスキャラ、井川はむしゃくしゃしていました。通勤途中の電車の中で痴漢に間違われたらしいのです。間違われたのではなくて本当にやったのではないかと思う地の文です。
「やってねえよ!女には不自由してねぇんだよ」
前にコラボして以来、ごく自然に地の文に絡む井川です。
「どうだ、なかなか上手く絡めるようになっただろう?」
まだまだだと思う地の文でしたが、ここはそういうことにしておいてやろうとする優しい地の文です。
「優しい女はいちいちそんなことは言わねえよ」
地の文が女性だと思い込んでいるスケベの井川です。
「まあ、優しい女が何ですって?」
「おっ!出やがったな」
引っ越しそばをご近所に配っている最中の樹里が笑顔全開で尋ねました。
「そういうあなたは、確か…」
名前を思い出せずに固まってしまう樹里です。そこへお供のものがそばの入った岡持ちを抱えて言いました。
「誰がお供のものだ!って言うか、早くしないとそばが伸びちゃいますよ」
それはあなたが方向音痴で何度も同じところをぐるぐる回っているからだと思う地の文です。
「そんなことは断じてない!」
本当のことを言われてムキになるお供の杉下左京です。
「そうなんですか?」
今日も笑顔全開の樹里です。
「ところで、そばを配ってるってことは引っ越しでもしたのかい?」
「はい、家族水入らずの生活が始まるのです」
「そりゃあ、良かったなあ。そうだ!引っ越し祝いでもやるか!」
「お祝いですか?なんだか楽しそうですね」
「じゃあ、早速メンバーを集めるから案内してくんな」
「はい」
相変わらずの笑顔全開で答える樹里です。
「ちょ、ちょっと待て!まだ初夜も済ませていないんだぞ!」
「そうなんですか?」
「じゃあ、明日でもいいぞ」
「そういう問題じゃない!お前らみたいな、訳の解からん奴らに我が家を荒らされたくないんだよ!」
そんな左京を無視して打合せを進める井川と樹里です。そして、一週間後に忘年会を兼ねて引っ越し祝いを樹里たちの新居で行うことに決めました。
「こらっ!勝手に決めるな」
「さあ、早く残りのそばを配っちゃいな。伸びちまうぞ」
「誰のせいだ!」
あなたの方向音痴のせいだと念を押す地の文です。そして、井川は樹里から新居の場所を聞いてその場を去りました。
会社に戻ると、井川は早速、日下部に声をかけました。
「ちょっと付き合え」
そう言って、外部階段の喫煙所へ連れ出しました。相変わらず、雨ざらしのしょぼい喫煙所です。
「余計なお世話だ!」
「えっ!これって、まさか…」
地の文の介入に敏感になる日下部です。
「そういうことなんですね」
「まあ、そういうことだ。そうと解れば話は早い。五反田財閥の再開発は順調か?」
「ええ、最近は名取が一人で仕切っているし、おかげでボクはご覧の通り他の物件を追いかけているところです」
名取ごときが仕切られるようなら、大した開発ではないのだと思う地の文です。
「えっ!」
遥か彼方で地の文の気配を感じて身震いする名取です。
「そうか。ところで、五反田低のキャバクラ嬢…。じゃなくて、メイドが居ただろう?」
「御徒町さんでしたよね」
「誰だそれ?そうじゃなくて樹里ちゃんだよ!」
「だから御徒町樹里さんですよ」
「ん?でも、旦那は杉下じゃなかったっけ?」
「あっ、そうか!」
そんなことはどうでもいいので、早く話を進めた方がいいと思う地の文です。
「どうでもよくない!そこは大事なところだろう」
どこにでも顔を出す左京をひょいと摘まんで放り投げる地の文です。
「うわあー」
あっという間に消えて居なくなった左京を最初からなかったことのように話を修正する地の文です。
「それでよう、樹里ちゃんが引っ越したんだってよ。それで、引っ越し祝いを兼ねて忘年会でもやろうかって話になってよ」
「面白そうですね」
「だろう?」
「お前、なんか企画しろ」
「えっ?でも、御徒町さんのところでやるのなら、何もしなくても楽しめるんじゃないですか?」
「ただ飲むだけじゃ、芸が無いだろう」
日下部に企画をさせて、手柄を自分のものにしようという魂胆が見え見えの井川です。
「悪いか!」
地の文相手に思いっきり人相の悪い顔で凄む井川です。
「まあ、まあ。地の文さんもその辺にしといてくれませんか」
いい男に“さん”付けで呼んでもらってポッと顔を赤らめる地の文です。
「お前さん、こういう男が好みなのか?まあ、いい。あっ、そうだ。ついでにあの酔っ払い姉ちゃんにも声を掛けてみてくれ。それから、似たもの夫婦の旦那の方にもな。」
「酔っ払いって…。それにあの二人ってそんなに似てるかなあ…」
樹里ちゃんに酔いどれ軍団、そして、スチャラカOLの律子が絡んだ忘年会って…。考えただけでワクワクする地の文です。
日下部は律子に連絡してみました。
「律子さん、お久しぶりです。実は…」
「知ってるわよ。樹里ちゃんの引っ越し祝いを兼ねて忘年会をやろうってんでしょう?」
「えっ!どうしてそれを…」
「だって、りったんだもん!」
わざわざ樹里ちゃん&スチャラカOLの土俵でストーリーを展開しているのに、いい加減、空気を読んでほしいと思う地の文です。
「わざわざって…。それは井川部長が…」
言い訳するなんて、見かけによらず卑怯者なのだと思う地の文です。
「まあ、そういうわけだから。でも、鉄人、忙しそうだから、一旦こっちで話を進めるから」
「鉄人って…。ここじゃあ…」
「いいの!」
「はい!じゃあ、一旦、お任せします。なので、もう一度ボクに振ってもいいし、律子さんが終わらせてもいいし、そのあたりは律子さんの好きなようにしてください」
他の女性ユーザーにかまけて、一向にコラボをしない日下部に本気で怒っている律子の攻撃が楽しみで仕方ない地の文です。
と、いうことで『樹里ちゃんの引っ越し祝い~酔いどれ軍団の乱痴気騒ぎにスチャラカOL律子が乱入~』は中途半端でバトンを渡した日下部から律子が引き継ぐことになりました。
近々、りったんから投稿されますのでこうご期待!