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第3話
そういえば、昔から俺が誕生日の日には春華は白い服を着てくる。昔、理由を聞いたときは“勝負服だから”と言っていた。
「イメチェンじゃなくて、俺の誕生日だからだったのか」
「気付くの遅すぎ!!」
というか何の勝負をする気なんだ?!
「悪かったよ …お詫びに春華の好きなところ連れてってやるよ。」
「………じゃあ…うちで遊ばない?」
「えっ…他のところじゃなくていいのか?!」
「うん。うちでいい!!」
「春華が良いなら俺はいいけど…」
「じゃあ中入ろっ!!」
久しぶりに入った春華の家は、前に来たときと同じく良い匂いがする。春華の部屋は2階の一番奥だ。
この階段をのぼって……
ぐぅぅ……
「冬馬のお腹は分かりやすいね」
「……だろ?…」
「朝の残りの卵焼きあるけど食べる?」
「…いただきますっ」