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鳩の豆拾い  作者: 青波鳩子


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51/56

【51】怖いもの知らずだった子供の頃



私はあり得ないほど、桁外れに「怖いもの知らずな子供」でした。


小学1年生の時、原っぱに三輪車が逆さまになって捨てられていました。

他にも底が割れたバケツなんかが無造作にありました。

私はその三輪車を拾って乗りながら、崖の上から滑り降りました。

崖、と言ってもだいたい3階建てくらいの高さの崖で、それほど高いと感じていませんでした。

三輪車も私も宙に浮き、途中で三輪車が手から離れて別々に落下しました。

通りがかった人たちの悲鳴を覚えていますが、身体の痛み的なものは何も記憶していません。

それからどうやって家に帰ったのかも何の記憶もないのです。


小学校3年生の時、学区の編成の都合で家から一番近い小学校には通っていませんでした。

でも放課後遊ぶのは、通っていない近所の小学校の校庭です。

私は友達と非常階段を登って行き、一番高い4階から景色を見ていました。

ふと、すぐ横に体育館の屋根が見えました。

非常階段から体育館はたぶん1mくらいしか離れていなくて、私は非情階段の手すりに上って、体育館の屋根に飛び移りました。

友達は誰もやりませんでした。

体育館の屋根の上は近くで見ると、波を打ったような形になっていて歩きにくく、座るところもありません。

で、戻ろうと思いましたが、高いほう(4階の非常階段)からおよそ3階くらいの体育館の屋根には飛び移れても、低いほうから高いほうへは当然飛べません。

私は戻れないことに気づきました。

体育館の屋根は何もとっかかりがなくて、伝って降りられるものが何もありませんでした。

友達が非常階段を下りて、誰かを呼んでくると言いました。

しばらくしてその学校の先生方が集まってきました。

でも、誰にも私をどうにかできなかったのです。

結局、消防車がやってきてはしご車で私は助けられ、その頃には真っ暗でした。

そこから先の記憶はありません。

消防車のはしご車の先端のカゴに乗れたことしか記憶にないのです。

いつもオチがありません。

すごい怒られたとかそういう大事な記憶が何もないのです。


お寺の屋根から落ちたのも、この頃だったと思います。

私はお寺で遊ぶことが多くて、塀から屋根に移ってそこで、拾った漫画雑誌を読んでいました。

手から雑誌がこぼれて、あっとバランスを崩してごろごろと転がって落ちました。

私の左腕の外側には10cmくらいの傷が縦に走っています。

落ちていく途中で左腕が有刺鉄線にひっかかりました。

右ひざには5cmくらいの傷も今もはっきり残っています。

これはいつの傷だか覚えていません。


高いところが怖くなくてそこから落ちることも怖くないのです。

高鉄棒に足先を引っ掻けてぶら下がって飛び降りるとか膝で回るとか、ジャングルジムから飛び降りるとか、学校ではないプールの高い飛び込み台から1回転して飛び込むとか、平気な子供でした。

ただ、身体が重くなってきた小学5年生くらいから、飛び降りたりお寺の屋根に上ったりすることはなくなりました。

よく毎回、助かったなと思います。

どれも命を落としても不思議ではない感じがします。

本当に本当にはた迷惑な子供でした。

お詫び行脚をしたいくらいです。


10代の頃は絶叫系アトラクションのどれも怖くないので何でも乗りました。

三半規管がイカれているのか、ぐるんぐるん回る系も全然平気です。


そんな私にも遊園地で怖いものがあります。

「おばけ屋敷」です。

いるんですよ、必ず。

彼らは暗いところに潜んでいるのではなく、比較的灯りがあって明るいところにいます。

そしてみんな笑っているのです。

恐ろしい顔をしている者は一体もおらず、みんな笑っている。

喉の奥が見えるくらいに笑っています。

ありえないほど怖い。


高いところも、今は想像力が豊かになったせいかイロイロ「末路」が想像できてしまいます。

まったく無茶はしなくなりました。

自転車にも乗らないようにしています。

普通自動車の運転免許証は持っていますが、教習所を卒業してからトータルで40分くらいしか運転をしたことがありません。

運転をしないので違反もなく、超絶優良ドライバーでゴールド免許です。

私が運転しないことが安全運転です。

交通ルールは分かっているので歩行者として優良です。

弁えて道を歩いています。

免許を更新しているのは、「お客様の中で運転免許を持っている人はいらっしゃいませんか!」と問われた時のためだけです。

たぶんそんな場面は永久に来ないとは分かっていますが、まあ更新しています。


子供の頃の命知らずの行動すべてが夢だったらいいなと思います。

今は危険な行為は一切しません。

たまに消費期限の切れたものにチャレンジするくらいです。






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― 新着の感想 ―
女の子は成長が早いので子供時代はこういうことしがち〜〜!!3年生でドロップアウトした私でさえ、登り棒をてっぺんまで登って隣の棒に移りながら一周してまた戻るとか2メートルくらいの神社の塀から飛び降りると…
記憶がないのは残念です(ない方が良いのかも) 他の運はわかりませんが、『命の運』が良いのでしょうね。 危険の直前で回避できるか、巻き込まれても助かるか… 理屈では説明できない何かがあるのかもしれません…
実は身体能力が高かったのではとも思いますので、そのまま成長していれば今流行りのパルクールでしたか、そちらの先駆者になれたのかもしれませんね。 自分は、例えば運命など信じませんが、【運が良い】というの…
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