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昔話
少年が興味を持ったのは、一本の映画だった。
華麗な怪盗が難なくお目当てのお宝を手に入れ仲間たちと騒ぎあう。
渋くて、クールで、スマート。憧れてしまったのだ怪盗に。
自分も彼らの様に、百発百中の射撃で困難を嘲笑ってやってやりたかった。
・・・が、今は平成の日本。拳銃を手に入れることも難しく、そうそうお宝などもはないのが実際のところ。
冷静に考えたら憧れて頑張っても無理な話だ。と肩落とす。
それでもと、少年が手に取ったのは、百円均一で売っていた南京錠。
そしてごそごそ取り出したのは一本の針金。鍵穴に針金を差込み、数秒。
ガチャリと鍵が開く。
「開錠なら、彼にも負けないかな。」
と微笑むが、
「お宝がないんじゃなー・・・」
また肩を落とすのだった。
完璧な俺得です。
駄文晒しです。