救出作戦
一旦彼氏とおうちデートは置いておいて、茜さんを助けることにした。
近くの喫茶店で待ち合わせをすることに。
私たちは先に店に着いたので、席に座ってコーヒーを注文した。
「お待たせいたしました。コーヒーでござ...」
店員さんの時が止まった。不思議に思い店員さんの顔を覗き込むと、ばっさーこと、翼さんだった。
「えっ!ばっさー!?」
「いやまさかこの店に来るなんて。俺ここでバイトしてんだよ」
「初めて知った」
「今日はなぜここに?デートかい?」
ここにきた理由を簡潔に伝えた。
「え、茜さんが?」
「翼さんって茜さんの事知ってるの?」
私はばっさーに聞くと
「俺が当時好きだった人だよ。告ったけど振られたんだよ」
と答えた。まさかの繋がり。
衝撃的なエピソードが、あれよあれよと明らかになっていく。
私はとてつもないスピードで明らかにされていく、いろんなことにパニックになっていると、喫茶店の扉が開いた。入ってきたのは小動物みたいな女の子。
「あっ茜さん。こっちこっち」
馨が声をかけた、あの小動物が茜さんだった。
「俺も話聞いていいかな?」
と茜に尋ねると茜は小さく頷いた。
翼は店長に頼み込んで、一旦休憩という扱いとなった。
私たちは4人掛けのテーブル席で茜さんの話を聞いた。
結論から話すと、茜さんは今、ストーカー被害にあっているので助けて欲しいと言うことだった。
大学から家に帰る時必ずついてくるそうだ。さらに今日もここにくるまでに付き纏ってきたらしい。元カレはDVがあたりまえのようにあって、モラハラもすごいんだとか。本当に男を見る目がない。
「ストーカー被害か...」
翼は今にも爆発しそうなくらいに、顔を真っ赤にして腹を立てていた。私もはらわたが煮え繰り返る思いだ。そんなやつは許せん。
「茜さん!私はあなたを助けたい!必ず力になる!」
私は茜の目を見て力強く言った。
茜は涙目になりながらありがとうとつぶやいた。
私たちは茜に協力することを誓った。
とはいえ我々は警察ではない。だから助け方がわからない。
「あっ!俺一個案思いついた!ネットの動画とかでよく見る、女装して助けるやつ。あれ馨ならできそうじゃないか?」
翼はやや興奮気味に言うが、女装する側の馨は乗り気ではなかった。変なことされたら嫌だなとばかり思っていた。
「えっ!馨さんって女装できるの?」
茜さんは目を丸くして言った。
「おい翼!あんまそれを言わないでくれって言ってただろ!」
馨は翼にキレ気味で話した。
「茜さん。このことはここだけの秘密にしておいてね」
馨にこう言われた茜さんの目が変わった。茜さんを見る私の目の色も変わった。
「まあでもその方法で乗り切ってみるのもいいかな。万が一腕とか掴まれても、なんとかなるやろ」
そんな軽い返事をしていいのか?馨よ。
とりあえずこの作戦に決定したので、私が車を出し、私、馨、翼、茜の4人で、メイクをするために馨の部屋に向かった。




