新作戦?
ライオン作戦は塩ラーメンのようにあっさりと終わってしまった。
「霞の方はライオン作戦の成果あった?」
「なんもないが?あっでも、のむちゃんがよく考えれば辿り着く。って言ってた。」
「よく考えれば辿り着く...。」
ライオン作戦は全くもって意味がなかったようだ。しかしのむちゃんの言葉から何か導き出せるかもしれない。
「わかった。これ気づかなかった私たちってアホじゃない?」
「え、なにがわかったの?」
「今現役で活動してる、MeTuberの1番最初の動画ってなんだと思う?」
僕は思考回路を巡らせ、ある一つの回答に辿り着いた。
「...自己紹介動画だ。」
「初回の動画だし、自己紹介動画でよくね?」
「...確かに。」
なんで僕たちはこれに気づかなかったんだろう。初回の動画が出た時、自己紹介をしないとその人が誰なのかなんてわからない。だから最初は自分を知ってもらうために、自己紹介をするんだ。だからのむちゃんはよく考えればわかるって言ったんだ。僕たちはどうやらMeTubeを始めるには、まだ未熟であることがわかった。
よし。初回の動画の内容も決まったし、撮影始めちゃおう!
「待って。」
「どうした霞?」
「これ万が一バズったら、私たち正体バレるくない?」
「...確かに。」
僕たちは一応正体を隠している。そして身内にはバレたくない。かなりのリスクを背負わないと、動画撮影ができないのである。
「これバレるよな。確実にバレるよな。」
今まで隠してたことが、この世の中に放たれることになると考えると、僕は少し怖くなった。しかし僕たちの私情でMeTubeをやめたいなんて言えない。これは困ったぞ。
「社長に直談判すべきか...。」
「私たち2人で訴え掛ければ、なんとかなるかも。」
「そうするか。」
次の作戦は、僕らじゃなくて他のモデルさんにMeTubeをやらせること。名付けてなすりつけ作戦だ!