平和な時間
そんな出来事から一週間。
ローズは与えられた本を読み、知識を得ていった。
その本には、生活で役立つようなちょっとした知識から専門書に載っているような難しい知識など幅広く書かれていた。
本の厚さだけでいえばそんなことはあり得ず不気味だともいえるのである。しかし、ローズはそのありえないことそれ自体を楽しんでいた。なぜなら、自分が知りたいあるいは、読みたいそう思って本を開くと必ずページは見つかったからだ。
この本はただの本ではない、それは分かった。だが、なぜこのような本があるのか、どうやってこの本はできたのか、この本の使い道は・・・・・・疑問は尽きない。
それでもローズは決してそのことで本を使うことはしなかった。
“簡単に願いが叶っては幸福が減る”これがローズの決めたルールだった。
「願いとは苦労するからこそ叶ったときの嬉しさは大きいのよ」
いつもそう言ってはミモザやその他の子供らに“苦労の大切さ”を説いていた。
同年代の子供や年下の子供達は尊敬の眼差しで、大人は微笑ましいものを見るように見守っていた。
これについて知りたいな、そう思いながら本を開く。ページを見つけその顔に笑顔が咲く。
花模様のタイルが敷き詰められた床に壁には淡いピンク色の壁紙が貼られている。
室内は本を捲る音やときどき少女の口から漏れる声のみの静かで平和な空間。
ローズは今日も本を読んでいた。




