4話 金策
4話 金策
「計画が決まったので次はお金をなんとかしないといけませね。」
「魔法は無から有は作り出せません。
例えば車は作り出せませんが、車の形や色などを変えることはできます。
なので手始めに愛ちゃんには、大きすぎて耕せていなかった畑を私が開墾します。」
手をかざして魔法を使った。
土魔法の初級らしい。
土がもこもこと盛り上がり美しい畝ができた。
肥料を二人で運ぶとこれまたまた魔法で肥料を土に混ぜてくれた。
こんなことを私一人では絶対にできない。
耕運機やら何やらを使えばできなくはないけどお金がかかりすぎる。
「ここからは種や苗がないと作物を育てられないので町に買いに行きましょう。」
「シロウさん、大変申し訳ないのですがその服装だと田舎町が大騒ぎになってしまうので父の作業着に着替えてもらえますか?」
「たしかに、愛ちゃんの世界の服装と私の服装は違うようですね。
わかりました、なくなったお父様の洋服をお借りします。」
それと、シロウと呼び捨てにしてください。
私も愛ちゃんとよんでいますので。と言われてしまった。
この超絶イケメンを呼び捨てにする。
今生もうないかもしれない経験だと割り切って呼び捨てにする覚悟を決めた。
汚い上にサイズの合わない作業服に着替えてもらった。
「ほんとにごめんなさい。こんな汚れた作業着で。」
ただの作業服、しかも薄汚れているのにもかかわらず、美貌は少しも損なわれていない。
何もしないよりマシかと思い、タオルを頭に巻いてもらった。
が、やはり超絶イケメンだった。
「愛ちゃんの亡きお父上の服だと思うと身が引き締まりますね!」
シロウに異世界から来たというと大騒ぎになるので、観光旅行に来たついでに農作業を手つだっている気の良い青年を装ってもらうことにした。
出かける支度を済ませて軽トラに乗り込んだ。
運転は愛。助手席はシロウ。
車に乗るのも家の敷地から出るのも初めてなのでこころなしか興奮しているように見えた。
軽トラにシロウは違和感満載だ。
下手したら映画の撮影だと思われそうだ。
軽トラで20分くらいの老舗園芸センターで苗を買った。
色々みたいシロウをなんとかなだめて高値で売れる作物を多めに買い、二人で苗をトラックに運び込んだ。
幸い園芸センターはお年寄りが一人、レジの人も一人だけ、しかも二人とも高齢なので人の顔をいちいち見ていない。
家の半径1キロ以内に家屋はなく、誰も通らない場所に畑も家もあるので目につかなくてよかった。
おかげで魔法を使っても目撃者も出ない。
苗を二人でトラックからおろし、魔法で植えてもらう。
何度見てもすごい光景。
苗がひとりでに土に埋まっていく。
植え終わったあとは水魔法を使って水やりまでしてくれた。
私は噂にならないようにかなり離れた場所で作物を売る手はずを整えた。
父の古い知り合いのつてをたどった。
魔力のおかげで一週間も立たないうちに作物は全て育った。
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