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三章 8話 仙台 

三章 8話 仙台


福島から仙台は1時間半くらいで着く距離。

最後のキャンプ場は海が見えるところに決めた。

お昼はずっと食べたいと思っていた仙台の牛タン。

温泉は市内にした。

これで大体の場所は決まった。


炎くんにはキャンプ場以外は貸し切りにしないように注意した。

キャンプ場は戦いの場になってしまうかもしれないので安全のためには必要だ。



【海岸冒険広場デイキャンプ場】


仙台市若林区の海岸沿いにあり、海を見渡しながら大きな遊具で遊ぶことができたり、参加型体験イベントも実施される。

また、デイキャンプ場もあり家族みんなで楽しめる公園。



【炭焼牛たん東山仙台本店】


焼肉の老舗「ひがしやま」が展開する炭火牛たん専門店。


極厚牛たんを煮込んだトロゆでたんや仙台牛を同時に味わえる定食など、バラエティ豊かなメニューが魅力。

ビールはもちろん、焼酎、おつまみも揃っているのでお酒を楽しみながら牛たんを味わうこともできる。



【AQUAIGNIS SENDAI 藤塚の湯】


新しい複合施設の一部にあります。施設敷地には有名シェフの飲食店や、スイーツショップがありますが、郊外にあるため、平日は空いていて、のんびり過ごすことができます。

温泉も新しく、掃除も行き届いています。

サウナもあり、露天風呂にある椅子で、ゆったり整いました。

屋上には展望デッキもあり、360度見晴らし最高です。




【スーパーマーケット サン・マルシェ 荒井店】

海岸公園冒険広場より自動車約10分



───



ほどなくして仙台に入った。

海の近くのキャンプ場は爽やかで、炎が貸し切りにしたため誰もいない。


「海だよ!海海!」


「長野県は海がないもんね。福島でも海沿いにはいかなかったし。エリンちゃんが喜んでくれて良かった。」


「ここにもたくさん苦しんでいる霊がいるんだろうな」


炎は真剣な顔つきで海に祈りを捧げた。

つられてエリンも全知全能の神に鎮魂を祈った。


一通り祈りを捧げ終えた二人は貝殻を拾ったり、足先だけ海につけてはしゃいだ。


シロウと愛は並んで座り二人が遊んでいるのを眺めた。

低い波が寄せては消えていく。


幸せだけど苦しい。明日お墓参りが終わったら、このたびも終わる。

また一人の暮らしに戻るのだ。

二人は何か言おうとしたが、何も言えなかった。

シロウはそっと愛はの手を握ると、爽やかな海風が吹き抜けていった。


お昼まで時間があるので先に温泉に行くことにした。


【AQUAIGNIS SENDAI 藤塚の湯】


最近できた施設なので近代的な作りでまだ新しかった。

施設内も綺麗で今までの古風な温泉とはまた違った感じだった。


炎は温泉に入るとシロウのズバッと核心を聞いた。


「なぁ、シロウさんは愛さんを異世界に連れて帰らないのか?」


「そんな無責任なことはできませんよ。」


「あれほど惚れさせといて十分無責任だと思うけどな。」


「炎くんは若いのに痛いところをついてきますね。」


「俺は欲しいものはぜってぇ諦めねぇんだよ。」


タオルを頭に乗せたシロウは、上を向いてちいさくため息を付いた。


一方女湯でも、


「愛ちゃんはさぁ、シロウさんについて行かないの?」


「え?」


「シロウさんのこと好きなんでしょ。バツイチだし、ご両親も兄弟もいないんでしょ。」


「そうだけど、私なんかついて行っても足手まといでしょ。」


「そんなことはないでしょ。シロウさんだって愛ちゃんのこと大好きじゃん。」


そうなんだろうけど、それだけで決められるほど単純じゃない。


じゃぷっ


愛は温泉に顔をつけた。


夜はスーパーで食材を買って、キャンプ場で海風に吹かれながら夕飯を食べることにした。


「こんな高い牛肉は見たことない。」


炎は店で一番高いお肉をぽいぽいカートに入れていく。


「買うのはいいけど食べられる分だけにしなさいよ。」


「よく考えたらバーベキューなんてやったことないな。父さんは年中悪霊祓いで全国飛び回ってるしな。

家族が集まることなんてめったにないからな。」


「私も修道院からほとんど出ないし、炎とおんなじようなものだよ。だから愛ちゃんたちにあってからめっちゃ楽しいよ。炎も楽しいでしょ?」


「未来の嫁にさんにも会えたしな。」


「まだ言ってんの?」


「ここにいる4人は家族との仲があまりないのが共通点ですね。」


なんとも言えない空気が漂った。


気を取り直して炭焼牛たん東山仙台本店に向かった。


「実は私ね、牛タンが食べたくて今日のキャンプ場を仙台にしたんだ。」


「そうだったんだ。愛ちゃん結構お肉好きだもんね。」


「牛タンとはなんですか?」


「言いづらいんだけど、牛の舌なんだ。」


「?!……わたりました。愛ちゃんが食べたいというのなら食べます。」


「苦手だったら他のメニューもあるからね。」


「牛タンは見た目はあれだけど、めっちゃ美味しいぜ。」


結果、シロウは見た目こそ苦手だったが牛タンが美味しいことを知り、炭火焼と茹でた牛タンも食べていた。

愛は今までになくハイペースで牛タン料理を平らげていった。


しばらくお店の周りをブラブラして、

スーパーマーケット サン・マルシェ 荒井店

へ向かった。


「今日は最後のバーベキューだからなんでも焼いちゃおう!」


「マシュマロ焼きたい!」


「仙台牛!」


おやつやら何やらかご2杯分お買い上げ。

車に積んでキャンプ場へ向かった。


「海を見ながら焚き火っていいね。」


パチパチという焚火の音があたりに消えていく。

エリンはマシュマロを炙ったが一度目は焦げてしまったので二回目は慎重に焼いている。


炎はA5ランクの牛肉と野菜を串で焼いて食べていた。私とシロウも炎くんのおこぼれに預かってむしゃむしゃ食べた。

こんな美味しいお肉を食べたら日常に戻れなくなる気がする。


悪霊退治は福島と同じくらいたくさんの悪霊が出たが、前回より炎もエリンも戦い慣れていたため危なげなく退治できた。





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