第三章 3話 その男の名は?
第三章 3話
キャンピングカーでキャンプ場に向かい、エリンとシロウに釣り体験をしてもらうことにした。
シロウはたくさん釣っていたが、エリンは……
まあ二人とも楽しんでいるみたいでよかった。
夜は久々の焚き火でバーベキュー
エリンに結界を張ってもらえるので安心して焚き火でバーベキューができる。
釣った魚を串にさして塩を振って焼いていった。
「熱っ。ハフハフ。美味し〜」
「焚火の火で焼くと一段と美味しいですね」
「温泉も肌がすべすべになったし、食事も美味しいし最高!」
ここの辺りは夜空が美しく、星を見るツアーがあるほどだ。
きらめく星たちが真っ黒なキャンバスを彩っている。
「そろそろお出ましのようですね」
シロウがそういったのを合図にエリンは素早く結界を張った。
愛は防御力アップの魔法を全員にかけた。
ぞろっ ぞろぞろ
ボコッ ボコボコ
全部で5体。
「光輪の槍!」
エリンがロザリオを握り天空に向かって唱えた。
光る5本の槍が悪霊を貫く。
三匹はとどめを刺せなかった。
一体は愛がホーリーでとどめを刺した。
他二体はシロウがとどめを刺す。
シロウの魔法の力にエリンは驚いた。
「シロウさんデタラメに強くない?」
「ここの悪霊が弱すぎるんですよ。」
「シロウさんの元の世界は強い魔物がうじゃうじゃいるみたいだから。
ここは弱く感じるみたいよ。」
魔物がうじゃうじゃって、絶対に嫌だわそんな物騒な世界。
その時
バラバラバラバラッ
轟音を立てて三人がいる近くにヘリコプターがやってきた。
ライトが眩しい。
ヘリコプターから降りてきたのは中学生くらいの男性だった。後ろから黒いスーツで身を固めた中年男性がついてきた。
二人はヘリコプターに命令するとヘリコプターは去っていった。
三人はあっけにとられてポカンとしていた。
「あのうるさい音を立てる空とぶものはなんですか。」
「ヘリコプターと言う乗り物です。この世界でもめったに乗ることはない、たいがいが非常時に乗るものよ。」
かなり大雑把な説明である。
「驚かせてすまない。
俺は火照家16代目頭首の三男。炎。」
炎は髪の毛を赤く染めている。身長165cm。
16歳。ツリ目が似合っている。
「わたくしは炎様の執事でございます。
ここ何百年も言い伝えでしか聞かされていなかった強い霊力を感じまして火照家から遣わされました。」
執事は178cm。52歳。若いときはボディーガードをしていただけあってかなり強そう。
「結界を張ったときに魔力があなた達に探知されたのかしら?」
「そこの美しき男性からとてつもない霊力を感じます。」
エリンはスルーされてちょっと怒った。
「本当のことをお伝えするので他言無用にお願いできますか?」
愛は火照家の二人に真剣な顔で言った。
「……了解した。火照炎の名にかけてこのことは秘密にする。」
炎は神妙な顔つきで了承した。
「実はシロウさんは異世界から来た風の精霊王フェンリルなんです。
霊力ではなくて魔法を使います。」
「そんな荒唐無稽な話が信じられるわけ無いでしょう。」
ムッとした執事。
「エリンさん、結界をお願いします。」
エリンは再び結界を張った。
するとシロウは巨大な狼の姿になった。
軽々と車の大きさを超える大きさに愛以外は腰を抜かすほど驚いた。
「先ほどは疑ってしまい失礼いたしました。あなたは犬神様ではありませんか?」
「こちらの世界ではそう呼ばれるのかもしれません。
驚かれるのでこちらの世界では人の姿に変身しています。」
「シロウがこっちの世界に来てから、悪霊が出るようになって三人で悪霊退治をしながらキャンピングカーで旅行してるんだよ。」
エリーは愛より大雑把に状況を説明した。
「そうそう、シロウさんはめちゃくちゃ強いから全く問題ないんです。
ここではなんですから車でお話しましょうか。」
「あんな小さい車にこの人数が乗れるわけ無いだろう」
エリンは炎の言葉に既視感を覚えた。
「この車はシロウが空間魔法で室内を大きくしているから大丈夫ですよ。」
愛はそう言うと後部座席のスライドドアを開けた。
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こんなに長いお話を書いたことがなくて四苦八苦しておりましたが、最終回まで仕上げました。
いたらない点ばかりのお話ですが、あなたのような心やさしい読み手様のおかげで頑張れます。




