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戦国時代の電気屋さん  作者: 朝風清涼
第5章 桶狭間

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ピンチ再来!

いつも読んでいただきありがとうございます。

今回は少しだけお色気な話になっております。

 (かえで)さんと別れた俺とおねちゃんは藤吉郎様の自宅に戻り、しっかり冷めてしまった昼食を何故か二人だけで始めていた…それも、彼女と二人きりで……。


「あ、あの…皆さんは?」


「え♪…あの表六玉は清洲城で奉公♪…小一郎ちゃんは夫役の任で奉行所♪…母上は城下町でお友達とお茶屋巡り~♪だからここにはうちとたっちゃんだけ~❤」


「そ、そうですか…」


 いきなり俺の全身が硬直した気がした…俺の真正面に座っているおねちゃんは、妙な色気を出しながらご飯を口に入れている…一口、二口と冷や飯を口にしながらも、彼女はずっと俺を見詰めたままだ!。


(な、何だか異様な雰囲気なんだけど……あのおねちゃんの目…食事をしている目じゃないよな…)


「きょ、今日の魚…冷めても美味しいですね…は…はは…」


「そんなに気に入ってくれたの?……じゃ、うちの魚もたっちゃんに食べさせてあげようか❤」


 おねちゃんは少し頬を赤らめながら箸の先で魚の身をほぐしていく…そんな彼女の目線は上下に魚と俺の顔へと移動させている…その瞳は美しくも危険な潤いを溢れさせていた…。


(もしかして、(かえで)さんが立ち去る時におねちゃんや俺を睨み付けたのは、この事を予測していたから?…)


「さ、たっちゃん、あ~~~~~~ん♪」


 魚の身を掴んだおねちゃんの箸が俺の前へと伸ばされていく、さっきまで正座の姿勢で食事をしていた彼女は次第にその姿勢を少しづつ崩し始め、俗に言う[女座り]に変わり始める…当然ながらそうなると彼女の着物の裾が広がり白い肌の膝がチラリと現れ始めた!。


「あ、あの…おねちゃん?…」


「おなごが食べさせてあげるんだから、ここは素直に受け取るもんだよ❤」


「い、いや…それよりも…」


「うふ、たっちゃんは素直だから、今うちの何処を見てたか分かってるんだから❤…」


(ま、まずい!…つい男の条件反射を出してしまった!)


 姿勢を崩したおねちゃんの両足がそろりそろりと広がり始める!もうこれは完全に彼女が[女]を出している証拠だと鈍感な俺でも理解出来る!。


「いや、それは…しょ、食事中ですし…む、無防備な所を…ちゅ、注意しようかと…」


「嘘、うちね、瞳ちゃんに教えてもらったの…未来の男はおなごの下着が見えると悦ぶって…」


(まぁ、それは虚実ではないが、藤本瞳(くん)!…君は令和で彼女達にどんな教育をしたのだ?)


 右手で敬礼をし、「ちょっち教えすぎた~♪すまんねぇ~~♪」と言っている瞳ちゃんの幻影が、ひるげの膳の前で浮かんでいる。

 なんとか豊臣政権でも俺の命は保障されたと思っていたのだが、一瞬の出来心でいきなりピンチに落とされてしまった!今ほど男の(さが)を後悔した事は無い!。


「うちね…たっちゃんになら…うちの着けてる下着を見せてもいいと思ってるんだよ❤…」


 おねちゃんは右手で箸を俺に伸ばしながらも、この環境でいよいよ実力行使に出たのか、彼女は左手で着物の裾をゆっくりと捲り始めていく!。

 そんな彼女の妖艶な表情は完璧に俺を誘っているのが分かる!。


(見ちゃダメだ!…見ちゃダメだ!…このまま男の本能で見てしまえば、いずれ俺は斬首か切腹!…いや、(はりつけ)にされ獄門か?…まずい、これだけは是が非でも避けなければならない!)


「お、おねちゃん…な、仲様が帰って来るかも知れませんし…あ、小一郎様は仕事の手際が早いので、間もなく帰宅されるのではないでしょうか?…」


「母上はひるげを済まして出掛けたばかり、小一郎ちゃんも奉行所から村周りがあるらしいから日暮れまで帰って来ないよ♪あの表六玉も夜にしか帰って来ないし…」


「い、いや分かりませんよ!…何か急用で戻って来るかも!」


 俺は必死で視線を玄関に向け何が何でもおねちゃんを見ないようにしていた、そんな彼女も俺の様子を感じたのか、右手に握っていた箸をそっと魚の上に置いた。


「ねぇ?…たっちゃん…今日ね、瞳ちゃんに選んでもらった下着を上と下に着けてるの…本当は(かえで)に用事を与えお使いに行かせてから二人きりになろうと考えていたけど、ふふ♪その必要は無くなった❤」


 玄関を見詰める左目の視界の端にぼんやりとおねちゃんの姿が見える…色気のある女座りのまま足を崩していく彼女の左足からは、捲れた着物の裾と白い肌の太ももが少しだけチラリと露になっていた。


「…たっちゃんだって、男でしょ?…うちがここまでしてるんだもん…それとも…まだ足りないのかな?」


 おねちゃんは右手を着物の襟に当てると、何度かその右手を上下に揺らし自ら着物の襟元を緩め始めていく!。


「お、おねちゃん、や、やっぱりまずいですよ…藤吉郎様に申し訳が立ちません…」


「そんな事考えるだけ無用だよ、あの表六玉もうちが令和に行ってる間に、身分の低い女中を米蔵か納屋に連れ込んでいたに決まってる、信長様に減俸されたのがその証拠!…だから、たっちゃんは何もあの人を気にしないでいいんだよ❤」


 ハッキリとは見えないが、おねちゃんは右肩の襟を少しづつ二の腕に下ろし始めてる!そんな彼女の肩からピンク色の細い紐が顔を出す、本当に彼女の言う通り未来のランジェリーを身に着けているようだ!。


(これはかなりやばい!…今は誰もこの家に帰って来ない、時間もたっぷりある!…完全に俺は蜘蛛の巣にかかった揚羽蝶か?…何とか逃げる手段を見付けないと…)


「えっと…お、俺…まだ松風に飼葉をあげてなかったかなぁ~……松風もお腹空いてるだろうなぁ~…」


「松風のご飯は先にあげておいたよ♪…ねぇ、たっちゃん…一緒にリップを買いに行った事、覚えてる?…うちと、腕を組みながら…」


「え、ど、どうだったかなぁ~…あ、あまり覚えてないような…はは…」


 ずっと玄関口に顔を向けているからか、次第に首筋が痛くなってきている…このままだと寝違い状態になるかも知れない…だが、ここでおねちゃんに顔を向けてしまうとよりピンチになる事は必定!…。


「あの時ね、うち…わざとたっちゃんの腕にお乳を当ててたの…本当はたっちゃんも覚えてるんでしょ?うちのお乳の感触を❤」


 そんなの覚えてるわけが無い!どこで(かえで)さんが見ているか分からない状況だったし、その後の彼女に対してどうフォローするかを考えていてそれ所ではなかったのだ!。


「そ、そんな事もあったかなぁ~…」


「たっちゃん…覚えてないんだ…じゃ、今度は腕じゃなく、たっちゃんの素手でもいいけど❤」


(いかん!完全に自分は人妻だと忘れその気になってる!…あぁ、何であの時に(かえで)さんを足止めしなかったんだ!…こんな事なら、小一郎様や仲様が戻って来てから出かけてもらえばよかったぁーー!)


「い…あ…そ…その……」


「ぁ…た、たっちゃん…うちなら…もう覚悟は出来てるんだよ…ねぇ?…どうしてうちを見てくれないの?…まだ…足りないの?…もっと、脱いだ方がいい?…ねぇ?…たっちゃん❤」


 ♪ドンドン!…ドンドン!


 [すみませぬが、ここに巽淳一様は居られますでしょうか!…拙者、矢尻喜兵衛と申しまする!]


(…て、天の助けだぁーーーーー!!)


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