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戦国時代の電気屋さん  作者: 朝風清涼
第4章 令和のおなごは何かと面倒だ

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観光って何ですか?

 ユリア殿(どの)が描いてくれた猫ちゃんの顔を頭に浮かばせ、私は(あるじ)の[おむれつ]に[けちゃっぷ]を流していく…。


(な、中々…難しいな…)


 それでも、ユリア殿(どの)ではないが、何とか猫らしい顔が出来上がり、次に[あるじ]と文字を入れ、最後は猫ちゃんの囲むように❤の形を描いた。


「あ、(あるじ)…か、完成でございます…か、(かえで)特製…[萌や萌やおむれつ]です…」


「え?…萌や萌や?…そ、そう……あ、ありがとう……ございます…(かえで)さん…」


「あら(かえで)ちゃん、上手く画けたじゃない♪…」


「なぁ?…瞳…お前、昨日この子達をどこに連れて行ったんだ?…」


「ま、色々とね♪…さ、食べましょ!」


 初めて食べたこの時代の[あさげ]、これほど心地よい朝を迎えられた事なんて一度も無かった、(いくさ)や飢えの不安を考える事無く、この様な毎日が迎えられる令和の人を心から羨ましく思った。


「あははは~♪…この[いちごじゃむ]、うちお土産に欲しいなぁ~~♪…ご飯に乗せても美味しいかな~?」


「おねちゃん、それは絶対合わないから止めたほうがいいわよ……ジャムは何処のスーパーでもあるから簡単に買えるけどね!」


(なるほど、何処でも買えるのか…なら私も欲しいな…剣術稽古の(あと)、口にしたい♪)


 今日も、目覚めた時から驚きの連続で一日が始まった…[あさげ]もしかり、夏の季節に合う氷が入っている透明な湯のみ、例のボタンなる突起物を押すと何種類もの珍しい飲み物が出て来る箱…いつでも湯を注げる茶瓶のような道具…これほどの待遇は天子様でも受けておられぬはず!。


(私も…(あるじ)と同じ時代に生まれたかった……出来る事なら…(あるじ)の出会う事が出来る近所に…)


 気持ちを込めて描いた猫ちゃん[おむれつ]を食する(あるじ)を、私は[じゃむ付きしょくぱん]をかじりながら眺めていた。


(私は絵と文字を描いただけなのに…それを(あるじ)が食べてくれるだけで…不思議と嬉しい気持ちになる…この気持ちはなんだろう?…)


 ただ、そんな(あるじ)を見詰める私に、おね殿(どの)は剣客のような鋭い視線を向けている事は当に気が付いていた…。


(私に向けるそのキツイ視線…やはり、おね殿(どの)(あるじ)の[おむれつ]に猫ちゃんを画きたかったのか!…なら、今度は私の[おむらいす]に画いてもらうとしよう♪)


 食事を済ました私達は店の前でこれからの行動について会談を始めたのだが、店を出るなりおね殿(どの)は、ずっと(あるじ)の横に立ち私を睨んでいた。


(あの目付き…相当猫ちゃんを画きたかったようだ…なら、[ひるげ]は私が[おむらいす]を頼み、おね殿(どの)に画いてもらおう♪…)


「それでは!…今日の予定を発表します!…まずは[大阪城]を見学!…ただ、ここは色々諸事情があるので外見だけを見る事にします!…次に[あ○のハ○カス]の展望台へ行きます!…うふふ♪、きっとビックリしちゃうわよ~♪…で、最後にショッピングモールでお買い物、夜は私の家でお鍋パーティー!でも、飲酒はナシ!、なぜならまだ夜遊びをするから~♪…てなわけで、これが今日の予定です♪」


「おぉーーー!…うち、どこでも着いて行くよぉ~~~♪」


「ひ、瞳殿(どの)!…こ、この時代にも城があるのですか?」


「えぇ、今は誰も住んでいないけど、見学が出来るお城になってるの♪…でも、中に入るのは今回ナシだけど…はは…色々見られるとマズイのもあるし…」


「はぁ…」


「今この時代に残っている日本全国のお城は誰でも訪れて見学が出来るの、だってこの時代はもう大名様も居ないし、(いくさ)も無い時代だからね♪…」


「だ、大名様が居られぬのですか?…」


「そうよ、今は天皇陛下がこの日本を治めているの、そしてこの国を導いているのが私達が選んだ人達なの、簡単に言えば誰でも本気になれば国の重鎮になれるって事!…浩一や巽君だってね♪…ま、それなりに有名になってお金も必要だけど…」


「い、(いくさ)もぜずに…国の重鎮…ですか……それも、我らが選ぶ者が…なれる…」


「そうよ♪」


 私は何故、この日ノ本の(まつりごと)がそうなってしまったのか理解出来なかったが、(いくさ)をせずとも民達に選ばれた者が天下を取る仕組みはとても良い事だと思った。


「さ、瞳の政治話はさておき、俺はこれからまだ倉庫で必要な物が無いか調べてみるから、ここで失礼させてもらうよ!…それに、少し…気になってる事があるから、中央図書館にも行って来る…」


「そう、じゃ、夕飯の時間は19時の予定だからそれまでに帰って来てね!」


「おう、しっかり彼女らに大阪見物をさせてやってくれ♪…じゃ、また夜にな!」


 藤本殿(どの)は一人[(いのしし)]ではなく、瞳殿(どの)に教えてもらった[(くるま)]に乗り我らと離れた。


「さて、まだお店のオープン時間には早いから、まずは大阪の顔である[大阪城]を見せてあげる♪…ま、若干不安なところもあるけど…」


「瞳ちゃんの言いたい事は俺も何となく分かる……けど、やはり大阪観光じゃ外せないでしょ!」


(おおさか、かんこう!…何処かの住職の名前か?…何故にその(かた)と城が関係あるのだろう…)


「それはそうよね、よし!…では、出発するか♪」


 こうして我らは(あるじ)が扱う車に乗り、大阪城なる城へと向かった。



[大阪城公園にて]



「あ、あれが…大阪城で、ございますか?」


 私達は公園なる民達の憩いの場の外堀から大阪城を見上げていた。


「そうだよ、(かえで)さん!…その当時の太閤様がここに住まわれていたんだよ、だ、誰だったかは忘れちゃったけどね…はは…」


(あるじ)、これは見事な石垣ですね、更にこの天下の威厳を示すような美しい天守閣、さぞかしその太閤様は威厳に満ちた華麗なお(かた)に違いありませんね♪」


「えっ?……ど、どうなのかなぁ~~~…あ、あはは…表六玉(ひょうろくだま)みたいな人だったかも知れないよ…」


「えぇ~~~!、うち、何だかこのお城、好きじゃない~~…何、この金箔を使った派手な壁!…いかにも強さを見せ付けるような虎の絵!…よく太閤様もこんな派手なお城に住めるよね!…うちだったら恥かしくて遠慮しちゃうわ!」


「あ、あはは…おねちゃん、しっかりその言葉、覚えておいてくださいね……」


「た、巽君…わ、私…おねちゃんにどう突っ込めばいいか分からないわ……」


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