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戦国時代の電気屋さん  作者: 朝風清涼
第4章 令和のおなごは何かと面倒だ

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楓!憧れのメイド衣装を買いに行く♪

 私とおね殿(どの)がそれぞれ出来上がった[ちぇき]なる絵をユリア殿(どの)から貰っていると、ようやく頭目との話しが終わったのか、瞳殿(どの)が店の奥から戻って来た。


「あら?…どうしたの?…二人とも店の中で立ち尽して…」


「はい、今…ユリア殿(どの)と[ちぇき]をいたしておりました♪」


(かえで)ちゃんの口からチェキの言葉を聞くなんて驚きだわ……どれどれ、見せて見せて~♪」


 私は先ほど出来上がった絵を瞳殿(どの)に手渡したが、おね殿(どの)は非常に不満そうな表情をし、瞳殿(どの)と目を合わそうとはしなかった。


「あら♪…(かえで)ちゃん!…とっても可愛いポーズしてるじゃない♪…」


「た…ただ指先を…唇に当てただけですが…」


「それが女の子の可愛い姿なの♪…でも…ほんと、可愛い!…(かえで)ちゃんならこの時代のアイドルになれるわよ♪………で、でも……そ、その隣の(かた)は………う、うん!…とっても松葉ガニにそっくり…と、特に、この口を少し開いて偶然上目(うわめ)になった顔……と、とれとれピチピチに見えるよ~~……」


「なんか嬉しくない………(かえで)…その絵、絶対!、たっちゃんに見せないでよね!……」


「し、しかし…これは、おね殿(どの)が自分で……」


「こ、こんな風に…なるとは、思わなかったから……ぐすっ…う、うえぇ~~~…ユリアしゃん!…もっかい、あの絵を作ってぇ~~~~!!」


「そ、それはよろしいですが…追加料金かかりますけど……」


「う……うぅ……ひ、瞳…しゃん……ぐすっ……おねぎゃい……」


まぁおね殿(どの)の気持ちも分からないことは無い、私だってあんな姿を(あるじ)に見せるなんて絶対嫌だと思う…。


「わ、分かったわよ!…もう1回撮ってもらいなさい!」


「え?…あははは~♪…やたーーー!」


「ほんとにこんなんで…この人学校の教科書に載るのかしら?…一度文科省に事実を伝えたいわ…」


「え?…なに?…瞳ちゃん?」


「なんでもない…」


 こうしておね殿(どの)は再戦を許され、改めて我らは[ちぇき]なる絵を作り直してもらった…そして、おね殿(どの)がユリア殿(どの)から新しく教わったポーズは、軽く右手を挙げ「いらっしゃいませ、入口はこちらでございます」のポーズらしい…。


「あははは~♪…これ可愛い~~…(かえで)!…これならたっちゃんに見せられるね~~❤」


(…間違って最初の絵を(あるじ)に出したら面白いのに…)


「やれやれ、なかなかの出費になったわ…後できっちり巽君に請求してやる…あ、(かえで)ちゃん!、御希望の衣装が売っているお店を教えてもらえたわよ♪」


「ま、(まこと)でございますか!…」


「えぇ、それもここから歩いてすぐの場所よ♪…行ってみる?」


「ぁ…あ…は、はい♪」


「じゃ、ユリアちゃん、お会計お願い出来るかしら?」


「はい、お嬢様❤」


 私達は支払いを済ませ、ユリア殿(どの)から「行ってらっしゃいませ、お嬢様♪」と見送りをしてもらい、ついに私が憧れたメイド衣装を買いに向かうのだった♪。



 [一方、永禄時代では]

 [藤吉郎視点]


「兄上、あれから月日が流れましたが、姉上も巽殿(どの)も息災でしょうか?」


「うむ、(かえで)ちゃんも付いておるので心配はなかろう…じゃが、わしは巽殿(どの)が未来の道具で(かえで)ちゃんの着替えとかを覗いていないか気になる!…」


「それなら姉上も同じではありませぬか?」


「い、いや…恐れ多くも、森様からお預かりしたおなご、粗相があってはわしが森様に顔向けが出来ぬではないか…おねよりもそちらの(ほう)が心配じゃ!」


「巽殿(どの)はその様な事をなさる(かた)では無いと思いますが…」


「小一郎、お(ぬし)は想い(びと)八重(やえ)がおるから分からぬのやも知れんが、男とはちょっとした事で心に隙が出来てしまうものなのだ!」


「では、兄上は毎日、心に隙が出来ているのでしょうな…」


 とたんに小一郎の目が細くなり、冷ややかにわしを見詰め始めた…それは兄を(うやま)うというよりも、呆れていると表現する方がいいかも知れない。


「な、何の事じゃ?……」


「とぼけなさるな、先日清洲城へ[夫役(ふやく)]報告の為に赴いた所…女中の者から兄上をどうにかして欲しいと嘆願されました…何かにつけちょっかいを出してくるので困ると…」


「そ、それは…あれじゃ、台所の場を明るくしようと……」


「もし、この件が姉上の耳に入れば、なんと申し開きをされるのですか?」


「し、しかし…おねも、(かえで)ちゃんと令和の時代で遊んでおるのだ…わ、わしだって少しは遊びたい…」


「兄上!」


「はい、すみません…以後、気を付けます……多分……」


 まだまだ巽殿(どの)が戻って来るまで日にちがある!…わしは閻魔(おね)の居ないこの夢のような時間を無駄にする事を諦めずにいた♪。


「それにしてもじゃ、あの巽殿(どの)の献上品、あれもかなり殿(との)はお喜びであったな♪」


「えぇ、まさかあの着物の下に風が出る丹前のような物を着け暑さをしのぐとは…あれを考えた御仁は大したもんです!」


「あれから胡蝶様もご機嫌だと殿(との)も言っておられた♪…それにの!…酒宴の際、殿(との)自ら酒を一気飲みするお姿を皆の前で披露されたそうじゃ!」


「おぉ、それはまた豪気な事を…で、それは…あの…」


「うむ♪…あの酔わない酒じゃ♪…いやぁ~、欄丸殿(どの)から聞いたのじゃが、あの底なしでもある勝家殿(どの)と飲み比べをし、殿(との)が勝たれたそうで、それはそれは殿(との)の御威光が高まったそうじゃ♪」


「全く、凄い(かた)ですね…巽殿(どの)は…これほどの短い期間で…見事に殿(との)のお心を掴まれた…あぁ、私も早く巽殿(どの)にお会いしたい…もっと勉学を教わり殿(との)のお役に立ちたいです…」


「わしも会いたい…(かえで)ちゃんに……」


「は?…」


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