戦国女子!メイドカフェの洗礼を受ける
「お帰りなさいませ、お嬢様♪…本日お嬢様方をお世話させていただきます[ユリア]と申します♪…何なりとお申し付けください♪」
次に現れたメイドは私よりも年下のように見えた…背丈は小柄で、肩まで伸ばした髪は左右で三つ編みにしているのだが、その髪は熟した鬼灯のような色をしていた。
(あれが主の言っていた髪を染めるおなごの[おしゃれ]なるものか…だが、これは私の心があまり揺れぬな…しかし…)
「あははは~♪…うち、木下おねだよぉ~♪…よっろしっくねぇ~~♪」
「はい♪…おねお嬢様!」
「あ、あのユリア殿?…なぜにそこまで腰を下ろし我らを見上げるのですか?」
「はい、お嬢様、私はメイド…主であるお嬢様を上から見下ろすなんて出来ません…」
(い、今…あ、主と呼んだ!……なるほど、従者は主を見下ろしてはならぬのだな!…心得た!…)
なかなかこの店の主はおなごの指南に尽力を尽くしているとみえる、まだまだ従者の心得が足りぬ私にはよい修練になりそうだ!。
「お嬢様、御注文はお決まりでしょうか?」
「あ、私はさっき冷たいものを食べたからホットコーヒーを、おねちゃんと楓ちゃんは何にする?」
「あははは~♪…うち?…うちはねぇ~~~…この緑の汁にアイスが乗ってるやつ~~❤」
「はい♪…胸キュンホットコーヒーに、ルンルンクリームソーダですね?…」
(このおなご、何言ってるのかサッパリ分からぬ…)
「で、楓ちゃんはどうするの?…」
「わ、私ですか?………わ、私も先ほど冷たいものを食しましたので………そ、その……この草鞋のような…黄色いやつを……」
「楓ちゃん?…それ、デザートじゃなくてオムライスよ、卵焼きの下にご飯があるんだけど、食べれるの?」
「は、はい…何だか小腹も空きましたので…大丈夫です…」
「あははは~♪…残したらうちが食べてあげるから、頼みなさい♪」
「畏まりました、御注文を繰り返します…胸キュンホットコーヒーに、ルンルンクリームソーダ、萌え萌えオムライスでよろしいですか?…お嬢様?」
「萌え萌えって……え…えぇ、それで…お願いします…」
「畏まりました、では失礼いたします♪」
ユリア殿はそのまま立ち上がらず、1歩・2歩と腰を下ろしたまま後退りをし、少し我らと距離を置いてから立ち上がり店の奥へと消えて行った。
(なるほど、これもいいな♪)
「あははは~♪…瞳ちゃん、うち[おねお嬢様]だってぇ~~♪」
「よ、良かったわね…」
「で、そのお嬢様ってどんな意味?」
「ま、まぁ…おねちゃんの時代で言えば…姫様かしら?……」
「お、おぉ♪…うちらが姫様!…瞳ちゃんもうちも旦那が居るのに姫様なんだぁ~~♪」
「シッ!…そんな余計な事、ここで言わないでよ!」
二人の会話などどうでもいい私は、ここで給仕をしているおなご達に見惚れていた…が、よくよく観察してみると、各々メイドの衣装が違う事に気が付いた。
(ん?…あのおなごのスカートやらは裾が長い……あれなら風が吹いても主に私のパンティを見られる心配はなさそうだ…うん、あれがいい♪)
「ひ、瞳…殿?……」
「どしたの?…楓ちゃん?…」
「わ、私……あ、あのおなごの…衣装が…いいです……」
幾多の剣士と刃を交えた私が、あのようなか弱きおなごに恐る恐る指を指すのは情けない限りだが、それほど私はあの衣装を気に入ってしまったのだ!。
「あ、あのロングスカートの子?……そうねぇ~、あれをベースに街中を歩いても違和感が無い様なコーディネートをするか…」
「ま、真ですか!…瞳殿!」
「だから、楓ちゃんも声が大きいって!…分かったから、二人共もう少し静かにしててね…」
「し、しかし……あ、あの男共は?………」
私は店の真ん中で陣取っている男共に指を指した!。
「え?…」
[それじゃぁ~、義くん様と、信ちゃん様に~~~…リカがキュンキュンしちゃいまぁ~~す❤]
[おぉぉ~~~♪…リカちゃん、待ってたよぉ~~!](義くん)
[あぁ~~~❤…か、神対応だぁ~~~♪](信ちゃん)
[じゃ、ご主人様、一緒にいきますよぉ~~~……せぇ~~の!]
[ラブ❤…ラブ❤…キュン、キュン❤…ラブ❤…ラブ❤…キュン、キュン❤](みんなで合唱)
「あの両手の爪を合わせてポン、ポンと、その手を心の臓に当てながら嬉しそうに歌っている男共はいいのですか?…」
「う……つ、爪を合わせて?…あぁ、指でハートを作ってるやつね……あ、あれは…多分…追加料金を払ってると思うから、べ…別にいいのよ…わ、私は…あ、あまり見たくない光景だわ……」
「ならば、別料金とやらを払えば、声を大きくしてもよろしいのですか?」
[お、俺!…最後にリカちゃんとチェキりたい~~❤](義くん)
[ぼ、僕は…むふ♪…あ、あの短いスカートの…キララちゃんと…チェキしたいな~❤](信ちゃん)
これまで茶店や食事処でも、他の客など気にもしなかったのだが、あの男の客はどうも不快に感じてしまう…出来れば近付きたくない気持ちにすらなる…。
(あのリカとやら、かなりの手練と見受けられる!…あれほど堂々と男を喜ばす術を持っているとは、もしや!…[くノ一]の修行をしたのでは!)
「あははは~♪…楽しそうだねぇ~…ねぇ?…瞳ちゃん…今度はたっちゃんと浩ちゃんも連れてきてあげようよ~♪…きっと喜ぶよぉ~!…」
「絶対、やだ!…旦那があんな事してたら、半年は口利いてやんない!」
「わ、私も…主が…あぁなれば…つい心を鬼にし斬ってしまうかも知れません…」
「そうかなぁ~…うちは楽しいけどぉ~~……」
「お待たせしました、お嬢様♪…胸キュンホットコーヒーとルンルンクリームソーダでございます、萌え萌えオムレツはもう暫くお待ちくださいませ♪」




