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戦国時代の電気屋さん  作者: 朝風清涼
第4章 令和のおなごは何かと面倒だ

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戦国女子!メイドカフェの洗礼を受ける

「お帰りなさいませ、お嬢様♪…本日お嬢様(がた)をお世話させていただきます[ユリア]と申します♪…何なりとお申し付けください♪」


 次に現れたメイドは私よりも年下のように見えた…背丈は小柄で、肩まで伸ばした髪は左右で三つ編みにしているのだが、その髪は熟した鬼灯(ほおずき)のような色をしていた。


(あれが(あるじ)の言っていた髪を染めるおなごの[おしゃれ]なるものか…だが、これは私の心があまり揺れぬな…しかし…)


「あははは~♪…うち、木下おねだよぉ~♪…よっろしっくねぇ~~♪」


「はい♪…おねお嬢様!」


「あ、あのユリア殿(どの)?…なぜにそこまで腰を下ろし我らを見上げるのですか?」


「はい、お嬢様、私はメイド…(あるじ)であるお嬢様を上から見下ろすなんて出来ません…」


(い、今…あ、(あるじ)と呼んだ!……なるほど、従者は(あるじ)を見下ろしてはならぬのだな!…心得た!…)


 なかなかこの店の(あるじ)はおなごの指南に尽力を尽くしているとみえる、まだまだ従者の心得が足りぬ私にはよい修練になりそうだ!。


「お嬢様、御注文はお決まりでしょうか?」


「あ、私はさっき冷たいものを食べたからホットコーヒーを、おねちゃんと(かえで)ちゃんは何にする?」


「あははは~♪…うち?…うちはねぇ~~~…この緑の汁にアイスが乗ってるやつ~~❤」


「はい♪…胸キュンホットコーヒーに、ルンルンクリームソーダですね?…」


(このおなご、何言ってるのかサッパリ分からぬ…)


「で、(かえで)ちゃんはどうするの?…」


「わ、私ですか?………わ、私も先ほど冷たいものを食しましたので………そ、その……この草鞋(わらじ)のような…黄色いやつを……」


(かえで)ちゃん?…それ、デザートじゃなくてオムライスよ、卵焼きの下にご飯があるんだけど、食べれるの?」


「は、はい…何だか小腹も空きましたので…大丈夫です…」


「あははは~♪…残したらうちが食べてあげるから、頼みなさい♪」


「畏まりました、御注文を繰り返します…胸キュンホットコーヒーに、ルンルンクリームソーダ、萌え萌えオムライスでよろしいですか?…お嬢様?」


「萌え萌えって……え…えぇ、それで…お願いします…」


「畏まりました、では失礼いたします♪」


 ユリア殿(どの)はそのまま立ち上がらず、1歩・2歩と腰を下ろしたまま後退りをし、少し我らと距離を置いてから立ち上がり店の奥へと消えて行った。


(なるほど、これもいいな♪)


「あははは~♪…瞳ちゃん、うち[おねお嬢様]だってぇ~~♪」


「よ、良かったわね…」


「で、そのお嬢様ってどんな意味?」


「ま、まぁ…おねちゃんの時代で言えば…姫様かしら?……」


「お、おぉ♪…うちらが姫様!…瞳ちゃんもうちも旦那が居るのに姫様なんだぁ~~♪」


「シッ!…そんな余計な事、ここで言わないでよ!」


 二人の会話などどうでもいい私は、ここで給仕をしているおなご達に見惚れていた…が、よくよく観察してみると、各々メイドの衣装が違う事に気が付いた。


(ん?…あのおなごのスカートやらは裾が長い……あれなら風が吹いても(あるじ)に私のパンティを見られる心配はなさそうだ…うん、あれがいい♪)


「ひ、瞳…殿(どの)?……」


「どしたの?…(かえで)ちゃん?…」


「わ、私……あ、あのおなごの…衣装が…いいです……」


 幾多の剣士と(やいば)を交えた私が、あのようなか弱きおなごに恐る恐る指を指すのは情けない限りだが、それほど私はあの衣装を気に入ってしまったのだ!。


「あ、あのロングスカートの子?……そうねぇ~、あれをベースに街中(まちなか)を歩いても違和感が無い様なコーディネートをするか…」


「ま、(まこと)ですか!…瞳殿(どの)!」


「だから、(かえで)ちゃんも声が大きいって!…分かったから、二人共もう少し静かにしててね…」


「し、しかし……あ、あの男共は?………」


 私は店の真ん中で陣取っている男共に指を指した!。


「え?…」


 [それじゃぁ~、義くん様と、信ちゃん様に~~~…リカがキュンキュンしちゃいまぁ~~す❤]

 [おぉぉ~~~♪…リカちゃん、待ってたよぉ~~!]((よし)くん)

 [あぁ~~~❤…か、神対応だぁ~~~♪]((しん)ちゃん)

 [じゃ、ご主人様、一緒にいきますよぉ~~~……せぇ~~の!]

 [ラブ❤…ラブ❤…キュン、キュン❤…ラブ❤…ラブ❤…キュン、キュン❤](みんなで合唱)


「あの両手の爪を合わせてポン、ポンと、その手を心の臓に当てながら嬉しそうに歌っている男共はいいのですか?…」


「う……つ、爪を合わせて?…あぁ、指でハートを作ってるやつね……あ、あれは…多分…追加料金を払ってると思うから、べ…別にいいのよ…わ、私は…あ、あまり見たくない光景だわ……」


「ならば、別料金とやらを払えば、声を大きくしてもよろしいのですか?」


 [お、俺!…最後にリカちゃんとチェキりたい~~❤]((よし)くん)

 [ぼ、僕は…むふ♪…あ、あの短いスカートの…キララちゃんと…チェキしたいな~❤]((しん)ちゃん)


 これまで茶店(ちゃみせ)や食事処でも、他の客など気にもしなかったのだが、あの男の客はどうも不快に感じてしまう…出来れば近付きたくない気持ちにすらなる…。


(あのリカとやら、かなりの手練(てだれ)と見受けられる!…あれほど堂々と男を喜ばす術を持っているとは、もしや!…[くノ一]の修行をしたのでは!)


「あははは~♪…楽しそうだねぇ~…ねぇ?…瞳ちゃん…今度はたっちゃんと(こう)ちゃんも連れてきてあげようよ~♪…きっと喜ぶよぉ~!…」


「絶対、やだ!…旦那があんな事してたら、半年は口利いてやんない!」


「わ、私も…(あるじ)が…あぁなれば…つい心を鬼にし斬ってしまうかも知れません…」


「そうかなぁ~…うちは楽しいけどぉ~~……」


「お待たせしました、お嬢様♪…胸キュンホットコーヒーとルンルンクリームソーダでございます、萌え萌えオムレツはもう暫くお待ちくださいませ♪」


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