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戦国時代の電気屋さん  作者: 朝風清涼
第4章 令和のおなごは何かと面倒だ

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戦国女子!電化タウンを歩く

「実は、私も行った事が無いというか、全然興味すら湧かなかった場所、[メイド喫茶]にこれから行きます!」


「瞳殿(どの)?…その[めいどきっさ]とは、いかなる所ですか?」


「ふふん、さっき(かえで)ちゃんやおねちゃんがスイーツを食べた茶店と同じなんだけど、そこで働く女の子は、みんな(かえで)ちゃんが望んでいるメイド衣装を着ているのよ♪」


「そ、それは…ま、(まこと)ですか!…瞳殿(どの)…ぜ、是非とも連れて行ってください!」


 この時代に来て、初めて別のおなごが可愛いと思った[めいど]なる姿!…そんな姿のおなご達の居る茶店があるとは、是が非でも見てみたい!。


「じゃ、ちょっちその店が何処にあるのか調べてみるから、とりあえず駐車場に戻りましょ!」


「あははは~♪…ちょうどうちも喉が渇いたから、その[めいろきった]に行ってみたい~♪」


「おね殿(どの)…[めいどきっさ]です…」


 こうしてあの多くの鉄製[(いのしし)]を待たせている平地に移動し、瞳殿(どの)の飼っている(あお)(いのしし)に入り込んだ私とおね殿(どの)は、しばらく瞳殿(どの)のスマホいじりを後ろから眺めていた。


「やはり、今日は天神祭りだから、梅田方面は絶望的ね……やはり日本橋の有名店が無難か……にしても、女性が入るには少し勇気が必要な外観のお店ね……でも、(かえで)ちゃんの為に向かうか!」


「瞳殿(どの)…店が決まったのですか?」


「えぇ、ここからだと…えっと…半刻(はんこく)ほどかかるけど、何とか人気店を見つけたから、そこで色々情報収集をしましょう!」


「はい♪…感謝します、瞳殿(どの)♪」


 また我らが乗った(あお)(いのしし)が動き始める、私は間近であの[めいど衣装]を着たおなごを見れる期待で心を躍らせていた。


(あの[ぱふぇ]を食した店のおなごは礼儀正しかったが、この時代のやや大人しい着物だった…しかし、これから行く[めいどきっさ]なる店のおなごは、あの時見た可憐な衣装を着ているのだ!…きっと小川の側で慎ましく咲く百合の花ようなおなご達に違いない!)


 それから瞳殿(どの)と私らは迷いながらも色々見た事のない道具を売っている街に到着し、そこから更に(いのしし)を[ぱーきんぐ]なる広い土地に待たせると、今度は歩いて細い通りを進んだ。


「えっと、ここからもう少し歩いて……二つ目の交差点を…右か……」


「ねぇ?ねぇ?瞳ちゃん?…なにスマホを見ながら歩いてるの?…またたっちゃんとお話しするの?」


「いいえ、今、このスマホがこれから行くお店までの道案内をしてくれてるのよ…」


「な、何と…瞳殿(どの)!…そのスマホやらは、知らない場所も案内してくれるのですか?…」


「うん♪…今乗ってきた車にもその機能が搭載されてるのよ♪…でも、私はあまりカーナビの扱い方を知らないけどね……」


「これがあれば山の中で迷う事はありませんね!…忍びとしては欲しい道具ですが、(あるじ)は私の時代では使えないと申しておりました…」


「そ、そうね…絶対使えないわよ……その理由の説明は長くなるので言わないけど…はは…」


 この[にほんばし]とやらの街は男が多いのか、何やら視線が私とおね殿(どの)に注がれている気配がひしひしと感じ取れていた。


「瞳殿(どの)、どうもこの[にほんばし]なる場所に来てから男の目がより気になるのですが…」


「あら?…何となく私も同じ女として(かえで)ちゃん達を見る男の視線を感じていたわよ、だって二人の美女がこの日本橋を歩いているんだもの、オタ系男子はつい見惚れちゃうって事♪…」


「おたけ?…ですか…」


「ま、まぁ…それも説明すると長くなるし、(かえで)ちゃんに変な誤解を与えてしまうので説明はしないけど…あはは」


「…はぁ…」


「ねぇ?ねぇ?…瞳ちゃん、まだ着かないの?…うち、喉が渇いたぁ~…」


 浴衣からこの時代の[洋服]なる着物に着替えたおね殿(どの)は、すでにこの令和と溶け込んでいる姿だった、特に頭に乗せている座布団のような[白き烏帽子(えぼし)]が男の目を向けさせていた。


(あれを被るだけで、おね殿(どの)はこうも可愛く見えるのか……し、しかし…私だって、あのひらひら(かんざし)を着ければ…)


「た、多分…もうすぐだと思うけど……今、交差点を右折したから……次は、この先の信号を左折して真っ直ぐ進めば到着ね!…」


 この通りは派手な店が多い…見た事の無い道具を売っている店もそうだが、変な色の髪をした可愛いおなごの絵が描かれた板を店の前に出していたり、ひらひらな衣装なるものを着て[もののけ]と(いくさ)をしている若く可憐なおなご達の絵が、薄くて四角い箱の中で動いていた!…。


「ひ、瞳殿(どの)!…な、なぜ…この薄くて四角い箱の中でおなごの絵が動いているのですか?…」


「え、えっと…そ、それはね……うぅ、テレビなんて、私が…生まれてからずっと当たり前にあった電化製品だから、なんて説明すればいいか……ちょ、ちょっち待ってて…今、考えるから…」


「…はい」


「おぉ、ほんとにこの小さな箱の中で絵が動いてる~…」


 やはり、おね殿(どの)もこの奇妙な箱に興味が出たのか、私と共に動く絵を眺め始めた。


 [アリサ、マリン、愛花(あいか)、あのケルベロスは手強い!…今こそ、私達[キューティー(フォー)]の友情パワーを合わせる時が来たわ!]


「…こやつ何を言っておるのだ!…たかが頭三つの大きな犬くらいで!…それに、なぜ皆、横一列に並んでおるのだ!…これだけ人数がおるのだぞ!…どうして素早くその犬を囲まぬ!…(いくさ)のイロハを知らぬのか、このおなご達は!」


 [だ、だけど…麗華(れいか)!…あのケルベロスの身体は相当固いわ…私達のエンジェルソードが通じないのよ!…]


「たわけ!…なぜ自分よりも大きい相手の身体に斬り込もうとする!…その様な場合は、まず足を狙うのが鉄則だと、剣術の師匠に学ばなかったのか!」


 [わ、分かってる…マリン……だからこそ、私達の力を一つにしてあのケルベロスに一撃を与えるの!」


「おい、麗華(れいか)とやら!…そなた、侍大将(さむらいだいしょう)であろう!…なぜ家臣の(いのち)を無駄にさせるような愚かな策を決めるのだ!…えぇい、今から私がそこへ行き、お(ぬし)らの代わりにその犬を斬り捨ててくれる!」


「おぉ~♪…(かえで)ぇ~~!…やれやれ~♪」


「ちょっ、ちょっと!…(かえで)ちゃん!…おねちゃん!」


 いきなり瞳殿(どの)は私とおね殿(どの)の腕を引き、あの四角い箱から私達を遠ざけた…。


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