戦国女子!初めて身体測定を経験する!
瞳殿が戸の向こうで待機している恭子殿に声をかけ、また彼女がここへ戻って来た。
「話は終わったようね♪…で、どちらさんから測ればいい?」
「その前に…ま、まず恭子に伝えておかなきゃならない事があるのよ…」
「何?…」
「あ、あのさ…この子達…今日から3日ほどうちにお泊りするんだけど…浴衣にばかり気を取られて、下着の着替えを持って来るの忘れてしまって……」
「そんな事ってあるの?」
「あ、あったから驚きよね~~!…で、ほら…今日は浴衣でしょ?……だから、この子達…浴衣の下には何も…はは…」
「それも、信じられないんだけど…まぁ下着のラインを気にする人は居るには居るらしいわね…でも、二人揃って着替えを忘れるかな?…」
「そうよねぇ~、私もビックリしちゃったぁ~!…あ、あはは…」
瞳殿の性格は、どうやら真っ直ぐで嘘を付くのが苦手のようだ…これまで数多くの男もおなごも見てきたが、この類いの者は信用に値すると私は忍びの師匠から学んでいた。
(まぁ、人に騙されやすいとも学んだが…)
「て、事は…一人2セットは必要ね…ま、店としては有り難いから構わないけど♪…それで、誰から測ればいいの?」
「あははは~♪…それはまず最初に覚悟を決めた楓からでしょ~♪」
「わ、私からですか?……」
「そだよ~ん、あれほど気合を入れた事を言ったんだから、当然でしょ♪…それとも、大和飛燕流伝承者たる楓様は浴衣を脱ぐのが怖いのかなぁ~?…」
「そ、その様な事、ありませぬ!…た、たかがおなごの前で浴衣を脱ぐなど造作も無い事!……」
「じゃ、このポニーテールのお嬢さんからサイズを測っていくので、準備してくれるかしら?」
「しょ、承知!…」
「じゃ、その楓ちゃんの[杖]、私が持っててあげるわね♪」
おなごが人前で肌を露にする…私がこれまで教わった[橘家・おなごの心得]に反する行為だが、そこには[無闇に男子の前で肌をだすべからず]と書かれていた記憶がある…今この中はおなごだけ…なら、教えに反してはいないはず。
「それは私の命です、しっかり持っていてください…」
愛刀の[虎斬燕]を瞳殿に預けた私は、真正面で恭子殿に見守られながら浴衣の腰帯を解き始める。
(み、皆が…私だけを見ている……や、やはり…恥ずかしい……)
♪スル……スルスル~~~~~……………パサッ………
腹の締め付けが楽になった瞬間、腰帯がハラリと床へ落ち、ふわっと浴衣の生地が私の肌から浮いた…。
「じゃ、次はその浴衣を脱いでくれるかしら?」
「か、畏まりました…」
私は両手で浴衣の襟を掴み、静かにその布地を下ろしながら両肩を出していった…。
[それからしばらく経ち]
「はい、これでお二人のサイズが分かりました♪…まず、楓さんは…バスト92…ウエスト54…ヒップ85ですね、次に[おさね]さんは…バスト88…ウエスト57…ヒップも88ですね、となると…楓さんはアンダーとトップの差が22センチなので、ブラはFカップがいいわね♪…」
(ぶらはえふかっぷ?…意味不明…)
「それで…[おさね]さんが…18の差だから…Dカップかな♪……」
「え?…うち、でぃかっぷ~~?…あははは♪…やたーーー!」
(絶対にこの人…恭子殿の言葉を理解してないはず……)
「それじゃ瞳、今からこの子達の下着をチョイスしてくるから、みんなで待っててね♪」
「う、うん…で、でも…リーズナブルなのを…え、選んで…来てね………ふぅぅ~………」
(ん?…何やら瞳殿の口調に陰りが……)
とりあえず私とおね殿は浴衣を肩から羽織り、恭子殿がこの居間に[らんじぇりー]なる物を持ち帰って来るまで待つ事になった。
「はぁぁ~~~………おねちゃんが……D!………楓ちゃんなんて……F!…はぁぁ~~…」
「あははは♪…おんやぁ~…瞳ちゃん?…急に元気が無くなったようだけど、どしたの?」
「瞳殿!…いきなりしゃがまれて……腹の調子でも悪くなりましたか?…」
「……別に……どこも痛くないけどね………ちょっち…心が痛いだけ……」
まるで道端で子供が蟻の行列を眺めるように、瞳殿はしゃがんで床を見詰めていた。
「なぜ心が痛いのですか?…瞳殿?…何か我らに不手際でもありましたか?…」
「別に…不手際は無いけどね……私が親から受け継いだDNAが心を落ち込ませてるの……はぁ~…おねちゃんが、D……楓ちゃんなんて…F!……はぁぁ~……460年前の女の子に…食べ物も豊富な時代に生まれた私が…負けるなんて…」
どうやら瞳殿は、私が[えふ]とおね殿の「でぃ]なるものが気に入らないように感じる、しかし意味が分からない以上、どう言葉をかけたらよいのか私は戸惑っていた。
「ねぇ~瞳ちゃん?……もしかして、その[でぃ]とか、[えふ]とかが気になるの?……瞳ちゃんはそんなの持っていないのぉ~?…なんなら、うちと楓の[でぃ]か[えふ]…瞳ちゃんにあげるよ…」
「…も、貰えるもんなら…頂きたいわ……」
「瞳殿は、そのような[でぃ]とか、|[えふ]なるものをお持ちでは無いのですか?」
「あ、あるわよ…い、一応……お、女の子なら…みんな持ってるし……」
「で、瞳殿は?…私と同じ[えふ]なるものですか?」
「……ほんと、無知って最強よね……ぎ……ぎりぎり…ビ…[B」よ……」
「あははは~♪…なぁ~んだ、瞳ちゃんもしっかり[ぎりぎりびー]っての持ってるんだぁ~♪…良かったねぇ~~!」
♪サッッ!!
いきなり瞳殿は立ち上がると、そのままおね殿の前に向かい、それはそれはおなごの恐ろしい形相で彼女の顔を睨み付けた!。
「いっ、ひ…瞳…ちゃん?…どしたの?……うち、何か変な事…言った?…」
「言ったも何も………いい事!……私の[ぎりぎりびー]は、絶対!…巽君の前で言っちゃダメ!!」
「は………はひぃ~~~~……」




