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戦国時代の電気屋さん  作者: 朝風清涼
第4章 令和のおなごは何かと面倒だ

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戦国女子!初めて身体測定を経験する!

 瞳殿(どの)が戸の向こうで待機している恭子殿(どの)に声をかけ、また彼女がここへ戻って来た。


「話は終わったようね♪…で、どちらさんから測ればいい?」


「その前に…ま、まず恭子に伝えておかなきゃならない事があるのよ…」


「何?…」


「あ、あのさ…この子達…今日から3日ほどうちにお泊りするんだけど…浴衣にばかり気を取られて、下着の着替えを持って来るの忘れてしまって……」


「そんな事ってあるの?」


「あ、あったから驚きよね~~!…で、ほら…今日は浴衣でしょ?……だから、この子達…浴衣の下には何も…はは…」


「それも、信じられないんだけど…まぁ下着のラインを気にする人は居るには居るらしいわね…でも、二人揃って着替えを忘れるかな?…」


「そうよねぇ~、私もビックリしちゃったぁ~!…あ、あはは…」


 瞳殿(どの)の性格は、どうやら真っ直ぐで嘘を付くのが苦手のようだ…これまで数多くの男もおなごも見てきたが、この(たぐ)いの者は信用に値すると私は忍びの師匠から学んでいた。


(まぁ、人に騙されやすいとも学んだが…)


「て、事は…一人2セットは必要ね…ま、店としては有り難いから構わないけど♪…それで、誰から測ればいいの?」


「あははは~♪…それはまず最初に覚悟を決めた(かえで)からでしょ~♪」


「わ、私からですか?……」


「そだよ~ん、あれほど気合を入れた事を言ったんだから、当然でしょ♪…それとも、大和飛燕流(やまとひえんりゅう)伝承者たる(かえで)様は浴衣を脱ぐのが怖いのかなぁ~?…」


「そ、その様な事、ありませぬ!…た、たかがおなごの前で浴衣を脱ぐなど造作も無い事!……」


「じゃ、このポニーテールのお嬢さんからサイズを測っていくので、準備してくれるかしら?」


「しょ、承知!…」


「じゃ、その(かえで)ちゃんの[杖]、私が持っててあげるわね♪」


 おなごが人前で肌を(あらわ)にする…私がこれまで教わった[橘家・おなごの心得]に反する行為だが、そこには[無闇に男子の前で肌をだすべからず]と書かれていた記憶がある…今この中はおなごだけ…なら、教えに反してはいないはず。


「それは私の命です、しっかり持っていてください…」


 愛刀(あいとう)の[虎斬燕(こざんえん)]を瞳殿(どの)に預けた私は、真正面で恭子殿(どの)に見守られながら浴衣の腰帯(こしおび)を解き始める。


(み、(みな)が…私だけを見ている……や、やはり…恥ずかしい……)


 ♪スル……スルスル~~~~~……………パサッ………


 腹の締め付けが楽になった瞬間、腰帯(こしおび)がハラリと床へ落ち、ふわっと浴衣の生地が私の肌から浮いた…。


「じゃ、次はその浴衣を脱いでくれるかしら?」


「か、畏まりました…」


 私は両手で浴衣の襟を掴み、静かにその布地を下ろしながら両肩を出していった…。



 [それからしばらく経ち]



「はい、これでお二人のサイズが分かりました♪…まず、(かえで)さんは…バスト92…ウエスト54…ヒップ85ですね、次に[おさね]さんは…バスト88…ウエスト57…ヒップも88ですね、となると…(かえで)さんはアンダーとトップの差が22センチなので、ブラはFカップがいいわね♪…」


(ぶらはえふかっぷ?…意味不明…)


「それで…[おさね]さんが…18の差だから…Dカップかな♪……」


「え?…うち、でぃかっぷ~~?…あははは♪…やたーーー!」


(絶対にこの人…恭子殿(どの)の言葉を理解してないはず……)


「それじゃ瞳、今からこの子達の下着をチョイスしてくるから、みんなで待っててね♪」


「う、うん…で、でも…リーズナブルなのを…え、選んで…来てね………ふぅぅ~………」


(ん?…何やら瞳殿(どの)の口調に(かげ)りが……)


 とりあえず私とおね殿(どの)は浴衣を肩から羽織り、恭子殿(どの)がこの居間に[らんじぇりー]なる物を持ち帰って来るまで待つ事になった。


「はぁぁ~~~………おねちゃんが……D!………(かえで)ちゃんなんて……F!…はぁぁ~~…」


「あははは♪…おんやぁ~…瞳ちゃん?…急に元気が無くなったようだけど、どしたの?」


「瞳殿(どの)!…いきなりしゃがまれて……腹の調子でも悪くなりましたか?…」


「……別に……どこも痛くないけどね………ちょっち…心が痛いだけ……」


 まるで道端で子供が蟻の行列を眺めるように、瞳殿はしゃがんで床を見詰めていた。


「なぜ心が痛いのですか?…瞳殿(どの)?…何か我らに不手際でもありましたか?…」


「別に…不手際は無いけどね……私が親から受け継いだDNAが心を落ち込ませてるの……はぁ~…おねちゃんが、D……(かえで)ちゃんなんて…F!……はぁぁ~……460年前の女の子に…食べ物も豊富な時代に生まれた私が…負けるなんて…」


 どうやら瞳殿(どの)は、私が[えふ]とおね殿(どの)の「でぃ]なるものが気に入らないように感じる、しかし意味が分からない以上、どう言葉をかけたらよいのか私は戸惑っていた。


「ねぇ~瞳ちゃん?……もしかして、その[でぃ]とか、[えふ]とかが気になるの?……瞳ちゃんはそんなの持っていないのぉ~?…なんなら、うちと(かえで)の[でぃ]か[えふ]…瞳ちゃんにあげるよ…」


「…も、貰えるもんなら…頂きたいわ……」


「瞳殿(どの)は、そのような[でぃ]とか、|[えふ]なるものをお持ちでは無いのですか?」


「あ、あるわよ…い、一応……お、女の子なら…みんな持ってるし……」


「で、瞳殿(どの)は?…私と同じ[えふ]なるものですか?」


「……ほんと、無知って最強よね……ぎ……ぎりぎり…ビ…[B」よ……」


「あははは~♪…なぁ~んだ、瞳ちゃんもしっかり[ぎりぎりびー]っての持ってるんだぁ~♪…良かったねぇ~~!」


 ♪サッッ!!


 いきなり瞳殿(どの)は立ち上がると、そのままおね殿(どの)の前に向かい、それはそれはおなごの恐ろしい形相で彼女の顔を睨み付けた!。


「いっ、ひ…瞳…ちゃん?…どしたの?……うち、何か変な事…言った?…」


「言ったも何も………いい事!……私の[ぎりぎりびー]は、絶対!…巽君の前で言っちゃダメ!!」


「は………はひぃ~~~~……」


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